外壁タイル調査には打診調査と赤外線調査の2つの主要な手法があります。それぞれの特徴と費用を理解することで、現場に合った方法を選択できます。本記事では費用の決まり方・建築基準法12条への対応・見積前に確認すべき項目まで、東海エアサービスの実務をふまえて整理します。
打診調査とは
テストハンマーや打診棒で外壁を叩いた音・振動でタイルの浮きを確認する手法です。職人が直接確認するため信頼性が高いですが、足場またはゴンドラが必要です。
図解赤外線調査の進め方
赤外線カメラを積んだドローンで上空から撮影し、異常箇所図を含む報告書を調査後5営業日を目安に納めます。
- 1ヒアリング建物の規模・調査の目的・報告書の形式を伺います。
- 2現地踏査現地を確かめ、飛行計画と調査の日程を決めます。
- 3撮影(赤外線と可視光)晴天・気温差5℃以上・風速3m/s以下の日に撮影します。
- 4解析サーモ画像と可視光の画像から、異常の箇所を特定します。
- 5報告書異常箇所図を含む報告書を、調査後5営業日を目安に納めます。
赤外線調査(ドローン)とは
赤外線カメラを搭載したドローンで上空から外壁を撮影し、タイルの浮き部分が示す温度差を可視化する手法です。足場不要で短期間・低コストが特徴です。
→ ドローン赤外線調査の詳細
比較表
| 項目 |
打診調査 |
赤外線調査(ドローン) |
| 費用 |
高い(足場/ゴンドラ必要) |
低い(足場不要) |
| 精度 |
高精度(浮き幅・深さも確認) |
0.3m以上の浮きを検出 |
| 適用条件 |
雨天でも可 |
日射・気温差が必要 |
| 工期 |
長い(足場設置含む) |
短い(1〜3日) |
| 記録 |
図面に浮き位置を記録 |
熱画像・可視光画像 |
| 建基法12条 |
全面打診の代替不可 |
全面打診の代替として認定 |
タイル張りのマンションの外観(写真はイメージです)
建築基準法12条定期調査での扱い
建築基準法第12条の定期調査では、タイル仕上げ外壁について「全面打診」または「赤外線調査」のいずれかが認められています。ドローン赤外線調査は全面打診の代替手法として認められています。
→ タイル浮き検出とは(用語集)
推奨される使い分け
赤外線調査が向くケース: 広面積・予算を抑えたい・足場設置が困難・スクリーニング(異常箇所の絞り込み)
打診調査が向くケース: 高精度の判定が必要・赤外線の条件が整わない(冬期・日射不足)・詳細な補修計画の作成
最も効果的な組み合わせ: 赤外線で全面スクリーニング → 異常部位を打診で精密確認
費用を左右する実務上の要因
外壁調査の費用は「対象建物の条件」と「求める成果物」で変わります。同じ延床面積でも、次の要因によって必要な工数・機材・許可手続きが変わるため、相場をそのまま当てはめると実態とずれることがあります。東海エアサービスが見積時に重視している主な変動要因を挙げます。
- 足場・ゴンドラの要否:打診調査では仮設足場やゴンドラの費用が全体の大きな割合を占めます。赤外線(ドローン)はここを圧縮できる一方、飛行できない立地では適用できません。
- 建物の高さ・階数・形状:高層・凹凸の多い外壁ほど撮影アングルと枚数が増え、解析の手間も増します。
- 外壁面数・調査範囲:全面か一部か、何面を対象とするかで撮影・解析量が変わります。
- 立地条件(飛行可否):人口集中地区(DID)、隣地との距離、電線・道路・第三者の有無により飛行許可・承認の要否や安全対策が変わります。
- 成果物の精度・様式:スクリーニング目的か、建基法12条の定期報告に用いる正式な様式まで必要かで作業量が変わります。
東海エアサービスが見積前に確認している項目
正確な見積のため、以下を事前に伺っています。図面や過去の調査履歴があると、見積精度と現地調査の段取りが上がります。
- 建物の立面図・平面図(または階数・概算高さ・外壁面数)
- 外壁の仕上げ(タイル/モルタル等)と劣化の気になる箇所
- 過去の外壁調査・補修の履歴
- 調査の目的(建基法12条の定期報告用か、補修前の現況把握か など)
- 飛行可否に関わる立地(DID・隣地距離・電線・道路の状況)
- 報告書の提出先・必要な様式
標準的な成果物
赤外線(ドローン)調査では、次の成果物をとりまとめて納品します。建築基準法12条の定期報告に用いる場合は、報告に必要な様式に合わせて整理します。
- 赤外線(熱)画像・可視光画像
- 浮き等の異常箇所を示した外壁展開図・位置図
- 所見をまとめた調査報告書(PDF)
- 建築基準法12条定期報告に用いる場合の対応書式
調査の進め方(対応フロー)
問い合わせから報告書納品までの標準的な流れです。
- 現地確認・ヒアリング:建物条件・目的・提出先を確認
- 飛行可否・許可の確認:立地に応じた飛行許可・承認の要否を整理
- 撮影:赤外線+可視光で外壁を撮影(条件の整う時間帯を選定)
- 解析・判定:温度差から浮き等の異常を抽出・判定
- 報告書の納品:画像・展開図・所見を報告書としてとりまとめ
図解金額が決まる要素
金額は、基本の料金に現場の条件で加わる費用を積み上げて決まり、頼み方で交通費・申請費の負担が小さくなります。
加わることがある費用
- 急ぎの納品(別途お見積もり)
- 飛行許可の申請の代行(ドローン測量では1〜2万円)
- 東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)以外の現場の交通費・宿泊費
交通費・申請費の負担が小さくなる頼み方
- 同じ現場の2回目以降の計測
- 同じ日に複数の箇所をまとめる
- 定期の計測にする
よくある質問
Q. 赤外線調査は全面打診と同等の法的効力がありますか?
A. 国土交通省の告示(平成20年第282号)で赤外線調査は全面打診の代替として認められています。ただし調査条件・精度の確保が必要です。
Q. 冬でも赤外線調査は有効ですか?
A. 昼夜の気温差が5℃以上確保できる条件が必要です。冬期は日射量も少なく、春〜秋の実施を推奨します。当社では条件が厳しい時期は打診調査との組み合わせを提案します。
Q. 費用はどうやって決まりますか?
A. 足場・ゴンドラの要否、建物の高さ・外壁面数、調査範囲、立地(飛行可否)、求める成果物の様式によって変わります。図面や調査目的をいただければ、現場条件をふまえてお見積りします。
Q. 一部の面だけ・特定箇所だけの調査もできますか?
A. 可能です。気になる面・箇所に絞ったスクリーニングや、補修前の現況確認といった部分調査にも対応します。
Q. 飛行できない立地でも調査できますか?
A. 飛行が難しい立地では、打診調査やその他の手法を組み合わせてご提案します。立地条件を伺ったうえで適切な方法を判断します。
外壁調査の費用・手法の選び方をご相談ください
建物条件や目的を伺ったうえで、打診・赤外線の最適な組み合わせとお見積りをご提案します。建築基準法12条の定期報告にも対応します。