土量運搬のコストは、ダンプトラックに「どれだけ合法的に積めるか」で大きく変わります。鍵になるのが車両制限令です。容積に余裕があっても重量制限で先に頭打ちになることが多く、過積載は罰則・事故・道路損傷につながります。本記事では、車両制限令の基本と「合法・安全・コスト最小」が両立する積載の考え方を、土量積算の現場目線で整理します。
車両制限令の基本(一般的制限値)
車両制限令は道路法に基づき、一般的な道路を通行できる車両の寸法・重量の上限を定めたものです。代表的な一般的制限値は次のとおりです。
| 項目 |
一般的制限値 |
| 幅 |
2.5 m |
| 高さ |
3.8 m |
| 長さ |
12 m |
| 総重量 |
20 t(道路・条件により緩和あり) |
| 軸重 |
10 t |
これを超える場合は特殊車両通行許可が必要です。土砂運搬で実務上いちばん効いてくるのは総重量・軸重で、荷台の容積が空いていても重量で制限に達するケースが頻繁にあります。
図解地山・ほぐし・締固めの土量と変化率
同じ土でも、地山・ほぐした状態・締め固めた状態で体積が違うため、変化率L・Cで換算します。
地山の土量掘る前の体積 × L ほぐした土量掘った後の体積(運ぶときの状態)
- 変化率L
- ほぐした土量÷地山の土量です。運ぶ土の体積を出すときに使います。
- 変化率C
- 締固め後の土量÷地山の土量です。盛土に要る地山の土量を出すときに使います。
- L・Cの値
- 土質ごとに違います。国土交通省の積算基準は、土質ごとの値を表にしています。
「容積」と「重量」どちらが先に効くか
積載の上限を決めるのは、土の単位体積重量(締まり具合・含水比)です。
- 重量が先行:湿った残土・粘性土・汚染土など重い土は、荷台が満杯になる前に重量制限へ到達。
- 容積が先行:木くず・再生材・乾いた砂質土など軽い材料は、重量より先に容積が一杯になる。
つまり「1台あたり何m³積めるか」は土質で変わります。台数を容積だけで見積もると、重い土では過積載前提の甘い台数になり、現場で台数が増えて運搬費が膨らみます。
過積載のリスク
過積載は道路交通法・道路法上の違反で、運転者・事業者双方が罰則の対象になります。加えて、制動距離の増加による事故リスク、タイヤ・車両の損耗、橋梁や舗装の損傷といった実害があります。発注者の現場管理・コンプライアンスの観点でも、台数計画は合法的な積載量を前提に組む必要があります。
工事用道路に並ぶダンプトラック(写真はイメージです)
積載最適化の考え方
コスト最小は「1台に詰める」ことではなく、合法な実効積載量で台数を正しく見積もることから始まります。
- 実効容積と単位体積重量から、重量・容積どちらが上限かを判定する。
- 上限側に合わせて1台あたりの積載量を決め、総土量から台数を算出する。
- 台数 × 片道距離で運搬費を見積もり、距離・ルート規制を反映する。
現場でよくある相談
- 「見積より現場でダンプの台数が増えた。なぜか」
- 「残土が重くて思ったほど積めない。台数の根拠がほしい」
- 「運搬単価は『円/台・km』『円/m³・km』どちらで組むべきか」
多くは、土の重量を見込まずに容積だけで台数を出していたことが原因です。土質(含水・性状)を前提に置けば、台数のブレはかなり抑えられます。
東海エアサービスの実務での進め方
- ドローン測量・点群処理で現況の土量を実測し、運搬土量の根拠を作成(処理は TREND-POINT)。
- 土質・含水を踏まえて実効積載量を設定し、台数・運搬費・処分費を整理。
- 成果物は DWG/DXF(図面)、PDF(土量計算書)で納品。
見積・打ち合わせでは、土量・実効容積・片道距離・運搬単価・丸め方を確認しています。前提をそろえることで、運搬費の追加変更の根拠まで残せます。
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図解土量の根拠になる計算範囲・控除範囲・基準面
土量は、計算範囲・控除範囲・基準面を先に決め、現況の点群と基準面の差から計算します。
現況の点群計測した地表面 − 基準面計画面など、比べる面 = 土量計算範囲から控除範囲を除いて集計
- 計算範囲
- 土量に入れる範囲です。範囲図で示します。
- 控除範囲
- 土量から除く範囲です。ご指定の控除範囲や緑地は区分して計算します。
- 基準面
- 舗装の部分は、仕上げ高でなく路床高で基準面をつくります。