🚧 土量コストの完全ガイド:立米(m³)とトン(t)の換算比重、ダンプ台数計算、現場実務のチェックリスト
「m³とtの変換」は、見積・運搬計画・ダンプ手配の出発点です。本稿では、土木・建設の技術担当者向けに、最短の考え方(公式→近道)と、土質ごとの比重目安、運搬計画での台数計算、実務での注意点を1ページに整理。最後にその場で概算できる無料ツールもご紹介します。
Contents:この記事でわかること
要点:m³とtの換算公式と現場で使える「比重の当て」
土量計算の基本は、体積(m³)と質量(t)を繋ぐ比重(単位体積重量)です。まずは公式を理解し、その上で実務で最も多く使われる「当ての数値」を把握しましょう。
現場の近道(クイック概算の当て方)
- 一般土砂(湿潤)なら「1 m³ は約 1.8 t」を標準の当てとして使用する。
- 砂・砕石、乾燥気味の土は「1 m³ は 1.6〜1.7 t」程度と見ておくと安全。
- 質量(t)から体積(m³)に戻す場合は、土砂湿潤の当てで m³ = t ÷ 1.8。
※厳密には含水比、粒度、締固め度で変動します。確定積算・精算では、後述の変動要素を必ず考慮してください。
比重の変動要素:含水比、粒度、締固め度の影響
土の比重(単位体積重量)は一定ではなく、現場の状況で常に変動します。見積もり精度を高めるためには、以下の変動要素を理解しておく必要があります。
- 含水比(湿り具合):土に含まれる水分量が多いほど、土全体の質量(t)が増加します。雨天後や地下水の影響を受ける現場では、比重を重めに見積もる必要があります。
- 粒度・空隙:土の粒子が細かい粘土質よりも、空隙が多い砂利や砕石の方が、見かけの比重が小さくなることがあります。
- 締固め度:ブルドーザーやローラーで締め固められた状態の土(真の土量)は、バラ積みの土よりも体積(m³)が小さくなるため、同じ質量でも密度が高くなります。
土質別・状態別の単位体積重量(比重目安)クイックリファレンス
よく使用される材料の単位体積重量(t/m³)の目安と、積算時に役立つクイック換算値を一覧にしました。
| 材料・状態 | 比重の目安 (t/m³) | 1 m³ は約 | 10 m³ は約 |
|---|---|---|---|
| 土砂(湿潤・一般土) | 1.7〜1.9 | 1.8 t | 18 t |
| 土砂(やや乾燥) | 1.4〜1.6 | 1.5 t | 15 t |
| 砂(細〜中) | 1.5〜1.7 | 1.6 t | 16 t |
| 砂利・砕石(20–40mm) | 1.6〜1.8 | 1.7 t | 17 t |
| 粘性土(含水高め) | 1.7〜2.0 | 1.85 t | 18.5 t |
| 岩ズリ・割栗(バラ) | 1.6〜1.9 | 1.75 t | 17.5 t |
💡なぜ現場ごとに比重を測るべきか
本表はあくまで目安であり、土質試験(粒度試験、含水比試験など)の結果とは異なります。特に、産業廃棄物として処分する場合や、特定土壌の改良を行う場合は、正確な比重の測定が必須です。概算見積もりの段階を終えたら、必ず仕様書や現地の試験結果に基づき数値を調整してください。
実務:算出した土量(t)からダンプ台数を確定させる
土量計算の最終目的の一つは、運搬計画とコスト算出です。概算では、「1 m³ は約 1.8 t(土砂湿潤)」で質量に直し、ダンプの積載量で割り算して台数を求めます。
| 車種 | 積載量(実効)目安 | 例:120 m³ の場合の台数(1.8 t/m³で換算) |
|---|---|---|
| 2tダンプ | 約2〜3 t(平均2.5t) | (120 × 1.8) ÷ 2.5 = 86.4 台 (約87台〜) |
| 4tダンプ | 約4〜5 t(平均4.5t) | (120 × 1.8) ÷ 4.5 = 48 台 (48台〜) |
| 10tダンプ | 約9〜10 t(平均9.5t) | (120 × 1.8) ÷ 9.5 ≒ 22.7 台 (約23台〜) |
※車検証上の最大積載量は車種や仕様で異なります。現場の進入制約(幅員、高さ)や安全を最優先し、余裕を持った台数計画が必要です。
運搬計画における回転数・コスト算出の基本
ダンプの総台数が決まったら、次に回転数から運搬にかかる時間とコストを算出します。
- サイクルタイムの把握:積み込み時間、運搬(往復)時間、荷降ろし時間、待機時間を合計し、1回転にかかる時間を算出する。
- 1日あたりの回転数:稼働時間(例:8時間)をサイクルタイムで割る。
- 総日数の算出:必要な総台数を1日あたりの回転数で割る。
例:45 m³ の湿潤土を4tダンプで運ぶと?
Step 1|m³→t: 45 m³ × 1.8 t/m³ = 81 t
Step 2|t→台数: 81 t ÷ 4.5 t/台 = 18 台
Step 3|時間・コスト: 片道12km、1回45分なら4時間で5回転前後が目安。
掘削→運搬→埋戻しで変動する土量(膨張率と締固め度)
土量の体積(m³)は、材料の状態(掘削された直後か、締め固められた後か)によって大きく変動します。この係数管理を怠ると、排出土量の過少見積もりや、購入埋戻し材の過不足につながります。
- 膨張(掘削直後):掘削した直後の土は空隙が増えるため、体積は元の状態から10〜30%程度に増加します。この「膨張率(ルーズ率)」を見込んだm³が、運搬・処分すべき土量となります。
- 締固め(埋戻し):埋戻し材は、道路や構造物の基礎として、指定の締固め度(例:90%〜95%)に合わせて転圧されます。元の地盤よりも体積が減少(沈下)することを考慮し、購入量を見積もる必要があります。
同じ材料でも工程によって「m³」が変わるため、見積の段階では工程別に係数管理(膨張率と締固め度)を行うことが、積算の正確性を担保する鍵です。
現場の落とし穴を回避する:土量・コスト管理のチェックポイント
土量換算における積算の手戻り・誤差を最小限に抑えるために、ゼネコン・土木担当者が押さえるべき最終チェックポイントを整理します。
チェックポイント 1:設計段階での比重・締固め度の確定
「一般土 1.8 t/m³」で全てを通すのは危険です。設計図面や仕様書に使用する埋戻し材、改良材、残土の最終処分方法が明記されているか確認し、それに紐づく正確な比重を初期段階で組み込みます。比重の微調整は、後のコストに大きく影響します。
チェックポイント 2:土量計測を点群計測(3D測量)で行うメリット
土量(m³)の把握には、出来形や図面だけでなく、ドローン・レーザースキャナーによる3D計測(点群)が最も高精度です。切り盛り差分を自動計算でき、複雑な地形で誤差が出やすい従来の測量方法を置き換えることで、手戻りなく正確なm³を確定できます。
関連ガイド・無料ツール:概算シミュレーションと精度向上
土量・コストの概算をサクッと行いたい、あるいはより高精度な土量計測に興味がある場合は、以下のリソースをご利用ください。
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FAQ:土量・比重の換算でよくある質問
Q. 比重は現場ごとに測らないとダメですか?
A. 迅速な見積段階では本稿の目安(1.8 t/m³など)で十分ですが、確定積算や発注・精算の段階では、必ず仕様書や現場試験結果に合わせた比重に調整してください。数\%の比重誤差が、最終的な運搬コストに大きな影響を及ぼすためです。
Q. 雨の日・連日の運搬はどれくらい重く見積るべきですか?
A. 5〜10%ほど重めに見る運用が一般的です。特に、水を含むと体積が増える粘性土や、雨ざらしの仮置き場から運搬する場合は、含水の影響が大きいことを念頭に置き、台数計画に余裕を持たせてください。
Q. 掘削した土量と、埋戻しに必要な土量の体積(m³)が合いません…
A. 掘削時は膨張(1.1〜1.3倍)、埋戻し時は締固め(0.9〜0.95倍)でm³が変動するため、体積は一致しません。見積では、掘削土量に膨張率を、埋戻し量に締固め度を適用した後のm³で計画することが安全です。
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