2t/4t/10t?現場が得するダンプ選び:積載量・進入条件・トータル費で判断
「どのダンプを呼ぶのが結局いちばん安い?」― 本稿は 積載量 × 進入条件 × サイクル時間の3点で、2t/4t/10tの最適解を最短で見つける実務ガイドです。 最後に無料の土量コスト計算機でその場概算もできます。
先に結論:こう考えると早い
- 入れるかどうかが第一関門:進入幅・高さ・旋回・路盤強度で不適なら即NG(表参照)。
- 台数より「実運搬コスト(円/m³)」:
車両費×サイクル時間/実積で比較。 - 距離が長いほど大型有利、距離短+作業密集は中型(4t)有利になりがち。
- 迷ったら4t基準で当て→進入余裕・距離長なら10tにスイッチ、狭小なら2t。
ダンプの積載量・サイズ感(目安)
| 車種 | 実積の目安 | サイズ感(進入条件の目安) | 1回で運べる体積(一般土1.8t/m³換算) |
|---|---|---|---|
| 2t | 2.0〜2.5 t | 狭小向け/道幅3.0m前後・高さ制限低めでも通りやすい | 約1.1〜1.4 m³ |
| 4t | 4.0〜4.5 t | 中規模現場の標準/道幅3.5m〜・ヤード回転も兼ねやすい | 約2.2〜2.5 m³ |
| 10t | 9〜10 t | 幹線向け/道幅4.0m〜・ヤード広め・架線/高さ余裕 | 約5.0〜5.6 m³ |
※数値は目安。実車の架装・車検証の最大積載・地域の道路条件、受入/処分場の指示で変動します。
コストは「円/m³」で比較:式と読み方
実運搬コスト(円/m³)≈ 車両費(円/h) × サイクル時間(h) ÷ 実積(m³) + 受入/処分費(円/m³)
- サイクル時間=(現場↔場の往復走行)+(積込)+(待機/荷下ろし)。
- 実積は比重の影響を受ける(一般土湿潤なら1 m³≒1.8 t)。
- 距離が長いほど「実積の大きい車両」が効きやすい。
- ヤード狭い/信号多い/待機多いと大型の回転が鈍る→4tが有利に転ぶことがある。
比較サンプル:一般土 300 m³ を12km輸送
| 前提 | 2t | 4t | 10t |
|---|---|---|---|
| 実積(m³/台) ※1.8 t/m³ 換算 | 1.2 | 2.4 | 5.3 |
| サイクル時間(h/回) 往復+積込/荷下ろし | 1.2 | 1.1 | 1.1 |
| 車両費(円/hの例) | 6,000 | 8,000 | 12,000 |
| 運搬コスト(円/m³・受入費除く) | 6,000×1.2÷1.2 = 6,000 | 8,000×1.1÷2.4 ≒ 3,667 | 12,000×1.1÷5.3 ≒ 2,491 |
| コメント | 狭小OKだが単価は高め | バランス良・迷ったらココ | 距離長いなら最安になりやすい |
※数値は概算例。道路/信号/渋滞/待機/ヤード条件で変動します。
進入チェックリスト(呼ぶ前に3分確認)
- 道路条件:道幅/Rのきつい曲がり/急勾配/橋・マンホールの荷重制限。
- 高さ制限:ゲート・梁・架線・樹木。特に10tは余裕を。
- ヤード:積込導線の離合・旋回スペース・停滞時の待機場所。
- 受入/処分側:車種制限・計量方式・受付時間・予約/待機の有無。
- 安全:誘導員配置・バック時死角・歩行者/近隣同線の分離。
最短ルート:この順で決めれば迷わない
- 進入可否判定(ダメ→一段小さい車種)
- 距離と信号環境でサイクルを当てる(長距離=大型寄り)
- 実積(m³/台)を決め、円/m³で比較
- 同時に受入/処分のルール(計量・予約)を確認
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よくある疑問
Q. 距離が短いのに10tを入れると高くなる?
A. ヤードの待機や切り返しで回転が落ちると、実運搬コスト(円/m³)が上がる場合があります。中距離以下・高頻度の離合がある現場は4tが安定。
Q. 2tを増車すれば大型1台に勝てる?
A. 誘導・積込能力・待機スペースが足りないと隊列の効率が落ちます。サイクル×実積でフロー全体を評価を。
Q. 雨天はどう見積る?
A. 含水で実積(m³/回)が減ることがあります。5〜10%重めに見て台数に余裕を。
