下草刈り(したくさかり)とは、ドローン測量・地上レーザースキャン・写真測量を実施する前に、計測精度を確保する目的で現地の草木・低木・雑草等を刈り払う作業を指す。植生が繁茂した状態では、ドローン空撮による点群データに地表面の情報が取得できない箇所が生じたり、対空標識(ターゲット)がGNSS受信不良や撮影アングルの遮蔽で正確に認識されないリスクがある。計測の前段工程として位置づけられ、成果物の品質に直結する重要な現地準備作業である。
下草刈りの概要・ポイント
ドローン測量や地上レーザースキャンで高精度な点群・DSM/DTMを取得するには、センサーが地表面を捉えられる状態にすることが前提条件となる。植生が密集した斜面や法面では、空撮写真から自動生成するSfM点群(Metashape・Pix4Dmapperで処理)において、草冠上面のみが地表として誤認識されやすい。特に以下の場面で下草刈りの要否が問題になる。
- 対空標識の視認確保:GCPや検証点として設置するターゲットが草に隠れると、各写真への自動認識・手動ピッキングの双方で誤りが生じ、絶対精度が低下する。
- DTM(数値地形モデル)の精度:地表の凹凸や排水勾配を正確に把握するために、DSMからフィルタリングして生成するDTMは、植生のないオープンな地表面データが多いほど精度が高まる。
- レーザー照射の遮蔽軽減:地上型レーザースキャナー(TREND-POINTで処理)は高密度な点群を取得できる一方、草丈が高いと地面への照射が遮蔽され、スキャン死角が増える。
- 工事出来形確認・土量計算:TREND-ONEを使った土工数量算出では、設計面と現況面の差分演算に地表面点群の精度が直接影響する。草があると盛土・切土の体積が正確に算出できない。
刈り払いの範囲・高さ・工法(機械刈り・手刈り)は現場の地形・法面勾配・植生の密度によって変わるため、事前のロケハンで判断することが基本となる。
実務での使い方・注意点
現場でよく寄せられる相談として「ドローン測量を依頼したいが、現地が草だらけで計測できるか心配」という声がある。この場合、まずロケハンで植生高さ・密度・法面角度を確認し、下草刈りの必要範囲と深さを判断する。対応フローとしては「ロケハン→下草刈り手配→GCP設置→空撮・計測→Metashape/Pix4Dmapperによる点群処理→TREND-POINTでのQC・精度確認→LAS/LAZ・DXF/DWGなど指定形式で納品」という流れが標準的である。
見積時に確認している主な項目は次のとおりである。
- 植生の種類・草丈・刈り払い面積(㎡)
- 法面の勾配と土質(急傾斜での作業安全性)
- 発注者側で刈り払いを実施するか、測量工程に含めるか
- 刈り払い後の廃材処理の要否
- 計測タイミング(刈り払い完了後の草再生を考慮したスケジュール)
費用・工期は現場条件により大きく異なるため、詳細はご相談ください。なお、発注者側で下草刈りを先行実施する場合も、刈り高さの目安(対空標識が完全に視認できる高さまで刈ること等)を事前に共有することで、計測の手戻りを防ぐことができる。成果物はLAS/LAZ形式の点群データ、GeoTIFF形式のオルソ画像、DXF/DWGの等高線図、LandXMLの地形データ、管理用PDFなど用途に応じて提供している。
東海エアサービスの対応
東海エアサービスは測量業登録 第(1)-37730号を取得し、全省庁統一資格(役務・全国)を保有するドローン測量・3次元計測の専門会社である。ドローン測量の実績は218件以上に上り、植生が繁茂する河川法面・山間部造成地・道路斜面など、下草刈りの事前調整が必要な現場も多数対応してきた。拠点は名古屋市名東区に置き、愛知・三重・岐阜・静岡の東海4県を中心に隣接県まで対応可能である。現地ロケハンから下草刈りの工程調整、点群処理・成果納品までをまとめて相談いただける体制を整えている。
点群はLAS・LAZ、オルソ画像はGeoTIFF、図面はDXF・DWG、3次元設計データはLandXMLで納めます。
| 成果物 | 形式 |
|---|---|
| 点群 | LAS・LAZ |
| オルソ画像 | GeoTIFF |
| 図面 | DXF・DWG |
| 3次元設計データ | LandXML |
| BIM/CIM向けの3次元モデル | IFC・OBJ |
| 土量計算書 | PDF・Excel・CSV |
お使いのソフトや発注者の指定に合わせて形式を決めます。電子納品(XML)と、TREND-POINT・TREND-ONE向けの形式にも対応します。
出典:当社のよくある質問(納品の形式)
よくある質問
下草刈りは東海エアサービスで手配してもらえますか?それとも自分たちで事前にやる必要がありますか?
どちらにも対応しています。発注者側での先行刈り払いが難しい場合は、測量工程の前段として刈り払い業者の調整を含めた工程管理を承ります。一方、発注者側で実施される場合は、対空標識が完全に視認できる刈り高さや刈り払い範囲の目安をご案内します。現場条件によって対応方法が変わりますので、まずはロケハン時にご相談ください。
下草刈りをしなかった場合、点群データの精度にどの程度影響しますか?
草丈や密度によって影響度は異なりますが、密な植生が残った状態ではSfM処理(Metashape・Pix4Dmapper)やレーザースキャンで取得した点群の地表面層に欠損・ノイズが多く含まれます。特にDTM生成や土量計算・出来形管理に使用するデータでは、設計値との比較精度に直接影響するため、用途が土工管理・法面管理・排水設計である場合は下草刈りを強く推奨しています。精度の許容範囲と現場植生の状況を照らし合わせ、計測前にご確認ください。

