残土運搬計画において、ダンプカーの車種選択は工期とコスト全体を大きく左右します。「10tダンプを手配したが現場に進入できなかった」「2tを大量に動かしたら台数コストが想定を超えた」という事態は、事前の条件整理で防げます。積載量・現場の進入条件・輸送距離・サイクル数を組み合わせてトータルで判断することが、現場効率を高める第一歩になります。
車種別の特性:積載量・機動性・適する現場
ダンプカーは車格によって積載量と機動性が異なります。下表は一般的な車格区分と特性の目安を示したものです。
| 車格 |
積載量の目安 |
機動性 |
適する現場の特徴 |
| 2t |
1.5〜2t程度 |
非常に高い |
狭小地・宅地造成・住宅密集エリア |
| 4t |
3〜4t程度 |
高い |
中規模造成・市街地の土木工事 |
| 10t |
8〜10t程度 |
中程度 |
幹線道路沿い・広い搬入口がある造成・採掘現場 |
| 大型(15t以上) |
12t超 |
低い |
山間部の大規模造成・専用道路が確保できる現場 |
1回の積載量が大きいほど輸送効率は上がりますが、車体が大きくなるほど現場条件の制約を受けやすくなります。どの車格が「得か」は積載量単体では判断できません。
図解土量の根拠になる計算範囲・控除範囲・基準面
土量は、計算範囲・控除範囲・基準面を先に決め、現況の点群と基準面の差から計算します。
現況の点群計測した地表面 − 基準面計画面など、比べる面 = 土量計算範囲から控除範囲を除いて集計
- 計算範囲
- 土量に入れる範囲です。範囲図で示します。
- 控除範囲
- 土量から除く範囲です。ご指定の控除範囲や緑地は区分して計算します。
- 基準面
- 舗装の部分は、仕上げ高でなく路床高で基準面をつくります。
進入条件で決まる選択
現場への進入可否は、積載量の議論より先に確認すべき制約条件です。以下の4点を事前に整理します。
道路幅員
10t以上の車格は車幅が2.4〜2.5mを超えるため、片側1車線が狭い生活道路や、電柱・ガードレールが迫る区間では通行が困難になります。幅員制限のある路線は地図データだけでなく現地確認が必要で、測量データがあれば搬出ルートの幅員検討にも活用できます。
重量制限(橋梁・軟弱路盤)
農道・林道・仮設道路では重量制限が設定されている場合があり、10tダンプの総重量(車両重量+積載)が制限を超えると通行できません。橋梁の制限標識の確認と、必要に応じた仮設路盤の検討が求められます。
現場内動線・転回スペース
大型ダンプは転回半径が大きく、狭い現場では切り返しに時間がかかり、1サイクルあたりの所要時間が増大します。施工面積・土量・搬出ヤードの配置を把握したうえで、現場内を効率よく周回できる車格を選ぶことが重要になります。
搬出先(処分場・受入れ場)の受入れ条件
残土受入れ施設によっては車格制限や予約制を設けているケースがあります。搬出先の受入れ条件を事前に確認し、現場側の条件と両面で絞り込みます。
トータル費の考え方
ダンプ計画のコストは「1台当たりの運搬費×必要台数×サイクル数」で構造的に把握できます。
- 小型(2t・4t)を選ぶ場合:1回の積載量が少ないため、同じ土量を搬出するには台数またはサイクル数が増えます。台数が増えると手配・管理・現場交通整理の負荷も増大します。狭小現場での通行性や安全管理のしやすさとのトレードオフになります。
- 大型(10t以上)を選ぶ場合:1サイクルで運べる土量が多く、輸送距離が長い現場ほどサイクル削減効果が出やすくなります。一方で進入制約が生じると、別の車格を混在させる必要が生まれ、手配コストと管理工数が増します。
- 距離の影響:輸送距離が長くなるほど、1サイクルあたりの所要時間が増えます。大型ダンプで台数を絞る構成の方が有利になりやすいですが、搬出先ルートの道路条件が合わない場合は逆効果になります。
土量計算で「何m³を何日間で搬出するか」を先に確定させると、必要サイクル数と車格の組み合わせを具体的に検討できます。ドローン測量や点群処理で高精度な土量を把握しておくことが、過不足のない車両計画につながります。
工事用道路に並ぶダンプトラック(写真はイメージです)
現場でよくある相談
- 「10tで来てもらったが、現場入口の橋を渡れなかった」――搬出ルート上の橋梁・通路の重量制限は測量計画と同時期に確認することを推奨している。事後の変更は再手配コストと工期遅延を招く。
- 「残土量が多いので大型ダンプで効率化したいが、道が心配」――現況の幅員・路面強度をドローン測量や現地調査で把握したうえで、ルートの条件を整理してから車格を決める手順が現場事故を防ぎやすい。
- 「どの時点でダンプ台数を確定すればよいか」――点群処理・土量計算の結果が出たタイミング(施工前)で車両計画を固めるのがよい。計測値を根拠に発注側と協議できるため、現場変更指示への対応も明確になる。
東海エアサービスの実務での進め方
ダンプ車種の選定は、土量計算の精度と現場条件の把握が揃って初めて合理的な判断ができます。当社では以下の流れで残土運搬計画の支援情報を提供しています。
- ドローン写真測量(Metashape・Pix4Dmapper)で現況地形を計測――UAV撮影データから高精度な点群・DSMを生成し、残土量を算定する。
- 点群処理(TREND-POINT・TREND-ONE)で土量・搬出量を確定――LAS・LAZ形式の点群データを処理し、設計面との差分から正確な土量値を算出。DWG・DXF・PDF形式で成果物を提供する。
- 見積確認時に整理している項目:掘削・盛土の区分と残土量/搬出先の距離・ルート上の道路条件(幅員・重量制限・橋梁有無)/現場内の転回スペースと搬出ヤードの位置/搬出期間・1日あたりの目標搬出量/受入れ施設の車格制限・受入れ時間帯。
- 測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格のもと、ドローン測量・点群処理・土量計算を一貫して対応。現地計測から成果物納品まで全国対応が可能です。
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図解地山・ほぐし・締固めの土量と変化率
同じ土でも、地山・ほぐした状態・締め固めた状態で体積が違うため、変化率L・Cで換算します。
地山の土量掘る前の体積 × L ほぐした土量掘った後の体積(運ぶときの状態)
- 変化率L
- ほぐした土量÷地山の土量です。運ぶ土の体積を出すときに使います。
- 変化率C
- 締固め後の土量÷地山の土量です。盛土に要る地山の土量を出すときに使います。
- L・Cの値
- 土質ごとに違います。国土交通省の積算基準は、土質ごとの値を表にしています。