視通し(見通し)とは

視通し(見通し)とは、2点間を直線で結んだとき、障害物によって遮られることなく光学的・電波的に両点が互いに「見える」状態にあることを指す測量用語です。トータルステーションによる角度・距離計測、GNSS基準局の電波到達、ドローンの飛行ルート設計、GCPの配置計画など、測量・建設DXのあらゆる場面で視通しの確保が作業の成否を左右します。

視通し(見通し)の概要・ポイント

視通しは大きく「光学的視通し」と「電波的視通し」に分けられます。光学的視通しはトータルステーションや光波測距儀のレーザー光線が遮られないことを指し、電波的視通しはGNSS・無線通信・ドローン用RC送受信機の電波が障害物なく届くことを意味します。実務ではさらに「フレネルゾーン」と呼ばれる電波伝播上の帯状空間が確保されているかも確認が必要です。

  • 測量精度への直結:視通しが確保されていない測点では後視・前視が取れず、トラバース計測やTS据付点の再選定が必要になります。
  • ドローン飛行との関係:航空法上の目視内飛行(VLOS)では、操縦者がドローンを常時目視できる視通しが必要です。山間部・市街地では建物や樹木が視通しを遮るため、ルート設計段階での事前確認が不可欠です。
  • GCP配置への影響:地上基準点(GCP)はドローンの空撮画像に写り込む必要があるため、上空への視通し(空間的視通し)が求められます。樹冠下・橋梁下などはGCP機能を果たしにくいケースがあります。
  • GNSS補正信号:RTK-GNSSでは基準局から移動局への補正データ伝送に電波視通しが必要で、稜線や建物が遮蔽すると測位精度が低下します。

実務での使い方・注意点

視通し確認は現地踏査(ロケハン)の核心作業です。現場に入る前に地形図・航空写真・DSMデータで概略的な遮蔽物を把握し、現地では実際に目視・双眼鏡・ポールを使って測点候補を検証します。ドローン測量では飛行エリア外周の樹木高や送電線・鉄塔の位置をロケハン時に記録し、飛行計画ソフトでのウェイポイント設定に反映させます。

点群処理においては、Metashape・Pix4Dmapperによるフォトグラメトリ処理でも、視通しが確保されていない領域(谷底・壁面直下・橋脚裏面など)は写真重複率が低下し、点群欠損やモデル精度低下の原因となります。そのため飛行高度・重複率・飛行方向を視通し状況に応じて複数パターン設定し、死角を補う斜め撮影ルートを追加することが標準的な対処です。処理後はTREND-POINTで点群の密度分布を確認し、欠損箇所がないかをQCとして検査します。最終成果物はLAS/LAZ形式の点群データやDXFの3次元図面、GeoTIFF形式のオルソ画像などで納品しますが、視通し不足に起因する精度低下箇所は測量報告書に明記し、顧客との認識齟齬を防ぎます。

見積段階では「現場の遮蔽状況(樹木・建物・法面の高さと密度)」「RC電波の届く距離」「基準点の設置可否」を必ず確認しています。これらは飛行計画の複雑さや追加フライトの要否に直接影響するためです。視通しが極めて困難な環境(深掘削坑内・トンネル坑口付近など)については、地上型3Dレーザースキャナとの併用を提案することがあります。現場条件により費用と工程が大きく変わるため、詳細はご相談ください。

東海エアサービスの対応

東海エアサービスは測量業登録 第(1)-37730号および全省庁統一資格(役務・全国)を保有しており、ドローン測量218件以上の実績を通じて視通し確認の手順を標準化しています。名古屋を拠点に愛知・三重・岐阜・静岡の東海4県を中心に対応しており、丘陵地・河川堤防・山岳林道・市街地密集区域など多様な視通し条件の現場を経験しています。ロケハンから飛行計画立案・計測・点群処理・QC・納品まで自社一貫で対応するため、視通し不足が判明した場合も現地で即座に計画を修正し、手戻りを抑えた進行が可能です。

よくある質問

ドローン測量の現地調査(ロケハン)なしに飛行計画を作ることはできますか?

地形図・衛星画像・既存DSMから机上計画を作成することは可能ですが、実際の樹木高・架線・仮設物などリアルタイムの遮蔽物は現地でなければ把握できません。視通しが確保されていない状態で飛行すると電波途絶や写真欠損が生じ、成果品の精度保証が困難になります。当社では原則として現地ロケハンを実施し、視通し状況を確認したうえで飛行ルートを確定しています。

RTK-GNSSで測位精度が安定しない原因は視通し以外にも考えられますか?

視通し(電波遮蔽・マルチパス)のほかに、衛星配置(DOP値の悪化)・電離層・対流圏の状態・補正信号の遅延・アンテナ設置面の反射なども測位精度に影響します。現場で精度が安定しない場合は、まず衛星受信状況のログを確認し、遮蔽が原因かどうかを切り分けることが重要です。当社では測位ログの解析も含めて品質確認を行い、精度に問題がある点のデータは再測または代替手法での補完を行っています。

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TAS Technical Writing Team(技術記事監修)

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