床面に打つ墨の総称。壁・柱の位置、建具枠、設備の据付位置など、床基準で示すべき情報はすべて地墨として表され、天井面に打つ上げ墨と対になる関係にある。多くの墨出し作業はまずこの地墨から始まり、他のすべての墨の出発点になる存在である。図面上でも地墨と上げ墨は区別して記載されることが多く、混同すると位置の参照を誤る原因になる。
地墨から上げ墨への展開
内装工事では、天井下地や設備が先行して床の地墨を隠してしまう場合がある。その際はレーザー鉛直器などで地墨を天井面へ正確に移し、上げ墨として使えるようにしてから後続工程を進める。移し替えのタイミングを逃すと、後から基準を復元するのに手間がかかり、周辺の別の墨から再計算する必要が出てくるため、隠れる直前ではなく余裕を持って移しておくのが実務の判断になる。床先行で複数工種が同時に動く現場ほど、地墨をどの段階まで残しておくかを事前に工程会議で決めておく必要がある。
実務での注意点
- 先行工事で地墨が隠れる前に、必要な墨を上げ墨として移しておく
- 床の不陸や下地の厚みで地墨の見え方が変わる箇所は事前に共有する
- 地墨・上げ墨のどちらを正とするか現場内で統一しておく
— TAS Technical Writing Team(技術記事監修)