クラウド納品とは、測量・点群処理・BIM/CIMモデルなどの成果データを物理メディアや専用回線ではなく、インターネット上のクラウドストレージ・データ共有プラットフォームを介して発注者へ引き渡す納品形態を指す。ファイルサイズが数十GB規模に達しやすいドローン測量や3次元点群データの受け渡しにおいて、宅配便による記録媒体の郵送と比較してリードタイムを短縮でき、版管理・アクセス権限管理・ダウンロード履歴の記録も一元化できる点が評価されている。
クラウド納品の概要・ポイント
クラウド納品において発注者・受注者の双方が事前に合意しておくべき主な要素は以下のとおりです。
- プラットフォームの選定:Google Drive・Dropbox Business・SharePoint・国土交通省が推奨するCIM/BIM共通プラットフォームなど、発注機関のセキュリティポリシーに適合したサービスを選択する。官公庁案件では政府共通クラウドや指定ポータルへの直接アップロードを求められる場合がある。
- ファイル形式の明示:点群データであればLAS/LAZ、オルソ画像はGeoTIFF、図面はDXF/DWG、数値地形モデルはLandXML、報告書はPDFといった成果物形式を契約仕様書に明記し、納品前に発注者側の閲覧・利用環境で開けることを確認する。
- アクセス権限と保管期間:リンク共有か個人認証かを決め、共有リンクの有効期限・保管期間・削除権限の所在を明確にしておく。官公庁案件では検査完了後も一定期間のアクセスを保証するよう求められるケースがある。
- 容量と転送速度:UAV写真測量1フライト分の処理済みデータは圧縮後でも数GB〜数十GBになることが多い。アップロード完了の確認方法(チェックサム照合など)も取り決めておくと、「ファイルが壊れていた」という受け渡しトラブルを防げる。
実務での使い方・注意点
東海エアサービスでは、ドローン測量の一般的な対応フロー(ロケハン→飛行計画→現地計測→点群処理→品質確認→納品)の中で、クラウド納品はQC(品質確認)完了後の最終工程として位置づけています。Metashape・Pix4Dmapperで生成した点群・オルソ画像データは、TREND-POINTやTREND-ONEでの断面作成・土量計算・図面化処理を経たのち、成果物一式をフォルダ構造ごとクラウドに格納します。
現場でよく受ける相談として「どのクラウドサービスに上げればよいか」という問い合わせがあります。民間工事では発注者が既に契約しているストレージサービスに合わせる形が最もスムーズです。一方、国交省・地方整備局・市区町村の発注案件では、電子納品要領に沿ったフォルダ構成・ファイル命名規則が指定されているため、アップロード前に成果フォルダの構成が要領に準拠しているか確認が必要です。
見積時に確認している主な項目は、①指定プラットフォームの有無、②納品後の修正対応回数の上限、③検査期間中のアクセス維持義務の有無、の3点です。これらは作業工数に直結するため、現場条件により対応範囲が異なります。詳細はご相談ください。
また、LAS/LAZファイルは点群密度や撮影範囲によってファイルサイズが大きく変動します。発注者側のダウンロード環境が低速回線の場合、事前に圧縮形式(LAZ)への変換や分割納品を提案することも実務上の重要な配慮点です。
東海エアサービスの対応
東海エアサービスは測量業登録 第(1)-37730号を取得し、全省庁統一資格(役務・全国)を保有しています。ドローン測量の実績は218件以上にのぼり、官民双方の納品形態に対応した経験を積んでいます。名古屋を拠点に愛知・三重・岐阜・静岡の東海4県および隣接県を対応エリアとしており、各地の発注機関が指定するクラウド納品要件・電子納品規定に沿った成果物提出の実績があります。クラウド納品のフォルダ構成・ファイル命名・メタデータ付与まで含めた対応が可能です。
点群はLAS・LAZ、オルソ画像はGeoTIFF、図面はDXF・DWG、3次元設計データはLandXMLで納めます。
| 成果物 | 形式 |
|---|---|
| 点群 | LAS・LAZ |
| オルソ画像 | GeoTIFF |
| 図面 | DXF・DWG |
| 3次元設計データ | LandXML |
| BIM/CIM向けの3次元モデル | IFC・OBJ |
| 土量計算書 | PDF・Excel・CSV |
お使いのソフトや発注者の指定に合わせて形式を決めます。電子納品(XML)と、TREND-POINT・TREND-ONE向けの形式にも対応します。
出典:当社のよくある質問(納品の形式)
よくある質問
納品後にデータを修正・再アップロードしてもらうことはできますか?
契約仕様で定めた検査期間内であれば、指摘事項に基づく修正再納品に対応しています。修正の範囲・回数の上限については、作業内容や現場条件によって異なるため、契約前の打ち合わせ時に確認・合意することを推奨しています。検査完了後の追加修正が発生する場合は、別途対応範囲をご相談ください。
官公庁案件で指定プラットフォームがない場合、どのサービスを使いますか?
指定がない場合は、アクセス権限管理・ダウンロード履歴記録・有効期限設定が可能なビジネス向けストレージサービスを利用し、共有URL・パスワード・保管期限を書面で発注者に通知する形を標準としています。発注者側に既存の契約サービスがあればそちらに合わせることも可能です。いずれの場合も、チェックサムによるファイル整合性確認を実施したうえで納品完了とします。

