航空レーザ測量(航空LiDAR)は、航空機やUAV(ドローン)にレーザースキャナとGNSS/IMU(位置・姿勢計測装置)を搭載し、上空からレーザー光を地表へ照射して広域の三次元地形を計測する手法です。レーザーが樹木の隙間を通り地盤面まで届くため、植生に覆われたエリアでも地盤標高を取得しやすく、DEM(数値標高モデル)や等高線、断面図などの成果につながります。広範囲を効率的に、かつ植生下の地形まで捉えられる点が大きな特徴です。
仕組みと成果物の種類
計測の仕組み
レーザースキャナが秒間に多数のパルスを発射し、地表からの反射時間で距離を測ります。同時にGNSSで位置を、IMUで機体の姿勢(傾き)を記録し、これらを統合して各レーザー点の三次元座標を確定します。一本のレーザーが複数の反射(ファーストパルス=樹冠、ラストパルス=地盤など)を返すマルチパルス特性により、植生と地盤を分離できます。
主な成果物
取得した点群から地盤点のみを抽出(フィルタリング)してDEMを作成し、そこから等高線・縦横断図・傾斜図などを生成します。成果物はLAS/LAZ(点群)、GeoTIFF(DEM等)、DXF/DWG(等高線・断面)、LandXML、PDFといった形式で納品できます。樹木や構造物を含めた表層モデル(DSM)が必要な場合も、用途に応じて整理します。
実務での使い方・注意点
現場では「山林に覆われた砂防・治山の現場で地盤を測りたい」「広い造成予定地の現況地形を短期間で押さえたい」「写真測量では地面が見えず標高が出せなかった」といった相談を多くいただきます。航空レーザ測量は、こうした植生下・広域の地形把握に適しています。
注意点として、密生した常緑樹林ではレーザーが地盤まで届く割合(地盤点密度)が下がること、計測高度や飛行計画が精度・点密度に影響すること、航空法や空域の制約があることが挙げられます。見積時には、対象範囲の広さと地形、植生の種類と密度、要求するDEM精度・点密度、基準点・検証点の設置可否、成果物の形式、飛行可否(空域・離発着場所)を確認しています。具体的な費用や工程は現場条件により異なるためご相談ください。
作業はロケハン(現地踏査・空域と離発着・基準点配置の確認)→計測(飛行計画に基づくレーザー計測)→処理(点群のフィルタリング・地盤抽出・DEM生成)→QC(検証点との照合・精度検証・ノイズ除去)→納品の流れで進めます。点群処理はTREND-POINT・TREND-ONEを用い、写真測量を併用する場合はMetashape・Pix4Dmapperでオルソ画像も整備します。
役割分担と東海エアサービスの対応
航空レーザ測量と写真測量は競合する手法ではなく、役割分担で使い分けます。植生下の地盤標高や広域DEMが必要な場面ではレーザー、色情報を伴うオルソ画像や地表が露出した現場の効率的な計測では写真測量、というように現場条件で選定・併用します。
東海エアサービスは測量業登録(第(1)-37730号)と全省庁統一資格(役務・全国)を有し、官公庁の業務にも対応可能です。ドローン測量は2025年時点で218件以上の実績があり、名古屋を拠点に愛知・三重・岐阜・静岡の東海4県および隣接県をカバーしています。LiDARや据置型スキャナは必要に応じてレンタル運用で構成し、点群処理からDEM・等高線の作成までを自社で一貫して行います。
よくある質問
Q. 写真測量で測れなかった山林の地形でも対応できますか
A. 航空レーザ測量はレーザーが樹木の隙間を通り地盤面の反射を拾えるため、植生下の地盤標高を取得しやすい手法です。ただし常緑の密生林では地盤点密度が下がることがあるため、現地の植生状況をうかがったうえで計測計画と精度の見込みをご説明します。
Q. どんな成果物として受け取れますか
A. 地盤点を抽出したDEMを基に、等高線・縦横断図・傾斜図などを作成できます。形式はLAS/LAZ・GeoTIFF・DXF/DWG・LandXML・PDF等から、後工程の設計ソフトに合わせて選択いただけます。
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