Earthwork / Spoil
残土の“行き先”を早く決めるには
―― 受入条件・距離・単価の三点見比べ
受入先A/B/C、どこが最適? 条件・距離・単価を同じフォーマットで並べれば、合意が速く・説明も楽になります。本稿は現場で使えるチェックリストとスコアリングを提供。概算は土量コスト計算機で即試算できます。
Points
① 受入条件(性状・含水・書類・車種)
② 距離(重量車ルートの実走)
③ 単価(受入/m³ + 運搬/台・km など)
この三つを同一表に落とし、台数×距離×単価の概算を同じ前提で回す――これが最短ルートです。
Template
三点見比べシート(コピーして現場で使用可)
※ 距離は重量車ルートの実走。運搬単価の表記(円/台・km or 円/m³・km)は必ず明記。
| 受入先 | 受入条件 | 距離/所要 | 単価 | 概算コスト | 適合度 |
|---|---|---|---|---|---|
| A処分場 |
性状: 良質土/含水○ 書類: マニフェスト, 受入検査不要 車両/荷姿: 10t・山積不可/シート必須 受入時間: 8:00-17:00(土可) | 片道 12km(往復24km) 所要 50–60分 | 受入 2,200円/m³ 運搬 1,000円/台・km | 計算例: 計算機で試算 | ◎ |
| B受入場 |
性状: 混入5%以下/含水△ 書類: 受入検査あり(有料) 車両/荷姿: 4t・10t可/山積可 受入時間: 9:00-16:00(土不可) | 片道 7km(往復14km) 所要 40–50分 | 受入 2,600円/m³ 運搬 900円/台・km | 計算例: 計算機で試算 | ◯ |
| C受入場 |
性状: 改良土のみ/含水○ 書類: マニフェスト必須/計量票提出 車両/荷姿: 10t限定/山積不可 受入時間: 8:30-17:00 | 片道 20km(往復40km) 所要 70–80分 | 受入 1,900円/m³ 運搬 1,050円/台・km | 計算例: 計算機で試算 | △ |
※ 実際の数値は一例。相場・含水・現場制約で変動します。
Decision
「迷ったらこれ」簡易スコアリング
- 受入適合度(○=2, △=1, ×=0)
- 距離点(往復20km未満=2, 20–40km=1, 40km超=0)
- 単価点(受入+運搬の合計が最安=2, 次点=1, 高=0)
総合スコア = 適合度×2 + 距離点×1 + 単価点×1(重みは現場の重要度に応じて調整可)
※ 受入適合は“不可要件が無いこと”が最優先。適合×は除外。
受入条件:まず“不可要件”を先に聞く
- 性状(粒径・混入・改良土の可否)
- 含水・泥分と雨天時の扱い
- 書類(マニフェスト・受入検査・計量票)
- 車種/荷姿(山積の可否・飛散対策)
- 受入時間(昼のみ/土日/最終受付)
距離:最短ではなく実走で
- 重量車ルート・時間帯規制を反映
- 往復距離=2D。帰り荷の有無で単価が変わる場合は別建て
- 混雑時間は待機費を別行にして見積透明化
単価:表記の違いを揃える
- 運搬単価は「円/台・km」か「円/m³・km」かを統一
- 受入費は「円/m³」。含水・性状でレンジを確認
- 有料検査・高速・立替などの付帯は明細化
FAQ
よくある質問
受入条件で最優先は?
不可要件(性状・含水・車種制限・受入時間)に引っかからないこと。単価が安くても不可なら除外します。
距離はどう取る?
Googleの最短ではなく、重量車の実走ルート・時間帯規制を反映した距離で。往復=2Dが基本です。
運搬単価の表記がバラバラ…
「円/台・km」基準に統一するのが実務では扱いやすいです。m³基準しか無い場合はC(実効容積)を使って換算します。
受入先が決まらない時は?
三点見比べ表を埋め、簡易スコアリングを提出。それでも拮抗なら試走/受入テストでリスクを解消します。
