Concept
待機時間は「現場待ち+受入待ち+信号滞留」の合算で1往復あたりに入れる
ダンプ1往復のサイクル時間 Tc は次の合計です。
- 積込
T_load - 現場待ち(順番待ち)
T_q_site - 現場→処分場の走行
T_out - 受入待ち(計量/ゲート)
T_q_disp - 荷下ろし
T_dump - 処分場→現場の走行
T_in
待機時間として計算機に入れるのは T_q_site + T_q_disp + 信号滞留 の和です。
走行部分は距離と平均速度で見ます(往復距離=2D)。
式: Tc = T_load + T_out + T_dump + T_in + T_wait(T_waitは待機合算)
必要台数の目安: 台数 ≈ ceil( Tc / T_load )(1台が戻るまでに何回積むかの感覚)
Example
実例:守山区の造成(10t・受入 18km)時間帯で待機を変える
前提: V=180 m³、10tダンプの実効容積 C=6 m³/台、片道距離 D=18 km、平均速度=35 km/h、積込5分、荷下ろし5分。
| 時間帯 | 待機(現場+受入+信号)/ 回 | 往復走行 | 1往復Tc | 必要台数の目安 | コメント |
|---|---|---|---|---|---|
| 8:00–9:30(朝) | 25分(現場5 + 受入10 + 滞留10) | 約62分(36km ÷ 35km/h) | 97分(5+5+62+25) | ≒ 20台 / 2h = 10回 ⇒ 10台 | ピーク。計量も詰まりやすい |
| 10:00–15:00(昼間) | 12分(現場3 + 受入6 + 滞留3) | 約62分 | 84分(5+5+62+12) | ≒ 20台 / 2.8h = 7回 ⇒ 8台 | 最も回しやすい帯 |
| 17:00–18:30(夕) | 20分(現場5 + 受入8 + 滞留7) | 約62分 | 92分(5+5+62+20) | ≒ 20台 / 2.2h = 9回 ⇒ 9〜10台 | 処分場の締切時刻に注意 |
※「必要台数の目安」は 2時間あたり延べ20台・実効6m³/台を回す感覚値からの説明用。実運用は運転時間帯や締切時刻で微調整します。
計算機への入れ方
- 距離・速度:片道距離18km、平均35km/h
- 待機時間:時間帯ごとの合計(上表の25分/12分/20分 など)を「1往復あたり」に入力
- 積込/荷下ろし:各5分(現場手配の体制で変動)
- 実効容積C:10tで6m³/台(山積不可・シート掛け前提)
※現場待ちと受入待ちを別欄で持つ場合は合算して投入。
感度:待機が+10分になると?
- 1往復 Tc が +10分 → 回転率が約10〜12%低下
- 同じ施工時間なら台数1〜2台増が必要に
- 施工日数固定なら、運搬費がその分増加
「待機を削る」=現場側の積込並列化や搬出時間帯の分散が効きます。
時間帯の最適化
- 朝夕ピークを避け、10–15時帯に集中
- 処分場の締切前30分は回送のみ(荷下ろしは前倒し)
積込の並列化
- 積込ポイント2面化(バックホウ+小運搬)
- 誘導員で進入動線を分離、回頭時間を短縮
ルート・受入の工夫
- 重量車ルートの実走距離で見積
- 混雑時間は第二候補の受入先へ振り分け
FAQ
よくある質問
平均速度はどう決める?
重量車ルートでの実走ベース。都市部は25–40km/hで仮置きし、渋滞帯は待機で吸収します。
待機欄に入れるのは何分?
1往復あたりの現場待ち+受入待ち+信号滞留の合計。15分刻みで安全側に丸めます。
