本文へ移動
  1. トップ
  2. コラム
  3. ドローン測量
  4. 都市公園の維持管理DX:点群データから樹木の本数と胸高直径を正確に抽出する技術ガイド
コラム

都市公園の維持管理DX:点群データから樹木の本数と胸高直径を正確に抽出する技術ガイド

この記事の要点

点群から樹木の本数と樹高はドローンで一括算出できますが、胸高直径は幹周りの点群密度が不足するため、地上型レーザースキャナで計測します。

この記事に関係するサービスは「ドローン測量(UAV写真測量)」です。料金は、3分で概算を見られます。

都市公園や街路樹、社寺境内の緑地では、定期的な樹木の本数確認・樹高測定・幹周計測が維持管理計画の基礎データとなります。従来はメジャーや目視による地上調査が主体で、広大な公園では複数日かけて歩き回る必要があり、作業員の負担と調査コストが課題でした。近年、ドローン(UAV)測量と地上型レーザースキャナを組み合わせた点群取得が現実的な選択肢となり、樹木の本数・樹高・胸高直径(DBH)を効率的に把握できる技術体系が整ってきました。

点群からの樹木情報抽出:UAVと地上型レーザーの役割分担

UAVによる写真測量または空中LiDARで取得した三次元点群から、樹冠高モデル(Canopy Height Model:CHM)を生成します。CHMは「地面からの高さ」を画像化したもので、局所的な高さの極大値が各樹木の樹頂点に対応します。この樹頂点検出を適用することで、エリア内の樹木本数と各樹木の樹高を一括で算出できます。

一方、胸高直径(DBH:地上高1.3mにおける幹の直径)は、UAV点群だけでは幹周りの点群密度が不十分なため、地上型レーザースキャナによる計測が有効です。地上スキャンで取得した幹断面の点群に円近似フィッティングを適用し、DBHを抽出します。

計測手法 主な取得情報 適した対象 留意点
UAVドローン(写真測量・空中LiDAR) 樹冠形状・樹高・本数(CHM解析) 広域エリアの俯瞰的把握 樹冠下の幹情報は取りにくい
地上型レーザースキャナ 幹径(DBH)・樹形・支幹の状態 個別樹木の詳細計測 広域一括には時間がかかる
UAV+地上型の組み合わせ 上記すべて 台帳整備・経年管理 データ統合に座標系の統一が必要
図解測るものと計測の方法

広い屋外はドローンでの写真測量、草木の下の地形はドローンLiDAR(航空LiDAR)、屋内の設備や床は地上レーザーで測ります。

測るもの・場所計測の方法主な納品物
屋外の広い範囲(造成地・土工の現場) ドローンでの写真測量 点群・オルソ画像・土量計算書
草木が残る山林・法面の地形 ドローンLiDAR 地表面の点群・断面図
屋内・近い距離の細かい形(工場の設備・床) 地上レーザー 点群・図面・床の不陸マップ
外壁・太陽光パネルの点検 ドローンに積んだ赤外線カメラでの撮影 サーモ画像・異常箇所図・報告書

植生の状態によっては、ドローンLiDARと地上レーザーを組み合わせます。機材は対象と求められる精度に合わせて手配するため、ドローンLiDAR・地上レーザーでの計測は個別にお見積もりします。

出典:当社が計測の方法を決めるときの分類

3次元計測の内容と料金を見る

精度・運用で気をつける点

点群から樹木情報を抽出する際には、いくつかの現場固有の要因を考慮する必要があります。

  • 落葉樹と常緑樹の違い:落葉期には樹冠の点群密度が低下し、樹頂点の検出に影響します。計測時期の選定が重要で、葉がある時期と葉のない時期で取得できる情報量が変わります。
  • 下層植生との分離:低木・灌木・草地が混在する公園では、CHM生成時に樹木と下層植生の高さが混同されやすくなります。地上点の適切な抽出(グラウンドフィルタリング)が前提となります。
  • 密集樹冠の重なり:樹冠同士が接触・重複している箇所では、隣接する複数の樹木が一体として認識されやすくなります。パラメータの調整や目視補正が必要になる場合があります。
  • GNSS環境:高木に囲まれたエリアや建物に隣接する箇所は、GNSSの受信が低下しやすくなります。RTK基準局の配置やGCP(地上基準点)の設置で補完します。
  • 計測時期の計画:病害虫の確認を目的とする場合は活葉期、幹形状の詳細把握には落葉期が適しています。目的に応じた時期選定を事前に協議することが望ましいです。

維持管理での活用:台帳化・経年比較・危険木把握

取得したデータは、樹木台帳のデジタル化に直結します。樹木ごとに位置座標・樹高・DBHを属性として付与し、GIS上で管理することで、紙台帳の更新作業を大幅に減らせます。また、複数年にわたって点群データを蓄積することで、樹木の成長量・樹冠の拡大状況を定量的に比較できます。

危険木・支障木の把握にも点群は有効です。傾斜している幹、著しく偏った樹冠、枯れ枝の集中などは点群の形状から抽出しやすく、優先的に現地点検すべき個体を絞り込む際の補助情報として使えます。全数を人手で巡視するのではなく、点群解析でリスクの高い個体を先にピックアップし、現地確認をその木に集中させる運用が現実的です。

造成地の点群を3次元で表示した画面
造成地の点群を3次元で表示した画面

現場でよくある相談

  • 「公園の樹木台帳を整備しなければならないが、本数が多くて人手での計測が追いつかない。点群で一括して取れないか」
  • 「毎年の樹木点検で高所作業や専門家の目視に頼っているが、広域を効率的に把握する方法を探している」
  • 「幹周と樹高を同時に記録したいが、UAVだけでは幹の情報が取れないと聞いた。地上スキャンと組み合わせた場合の進め方を知りたい」

東海エアサービスの実務での進め方

  • 事前確認:対象エリアの面積・樹種構成(落葉/常緑の比率)・管理目的(台帳整備か危険木スクリーニングかで手法が変わる)・成果物の使用用途(GIS連携かPDF報告書か)を確認する。
  • 計測手法の選定:広域の本数・樹高把握はDJI系RTK/PPK対応ドローンによる写真測量(Metashape・Pix4Dmapper処理)を基本とする。DBH計測が必要な場合は地上型レーザースキャナを追加し、同一座標系で統合処理する。
  • 点群処理:取得した点群はTREND-POINTで地上点分離・フィルタリングを行い、CHM生成と樹頂点検出を実施。DBHは幹断面の円フィッティングで算出する。
  • 成果物の納品:点群データはLAS/LAZ形式、図面はDWG/DXF形式、樹木台帳はPDF・帳票形式で提供する。座標系は発注者指定の測地系に合わせる。
  • 全国対応・資格:測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格を保有。官公庁・自治体案件の発注要件に対応している。

ドローン測量・3D計測

樹木台帳・緑地管理のための点群活用

ドローン測量の相談はこちら

図解ドローン測量の進め方

ドローン測量は、標定点の設置と撮影のあと、検証点で精度を確かめてから、現地計測後5営業日を目安に納品します。

  1. 1現地の下見計測範囲・地形・植生と、飛行許可の要否を確かめます。
  2. 2標定点の設置標定点(対空標識)を設置し、座標を取得します。
  3. 3飛行・撮影飛行ルートに沿って撮影します(通常は半日〜1日)。
  4. 4点群の作成写真から点群・オルソ画像・3次元モデルをつくります。
  5. 5精度の確認検証点の残差を確かめ、精度管理表をつくります。
  6. 6納品現地計測後5営業日が目安です(急ぎは3営業日・別途お見積もり)。

公共測量では、計測の前に作業計画書を提出します。飛行許可が要る現場は、承認まで通常10営業日ほどかかります。

出典:当社の作業手順(ドローン測量)

ドローン測量の内容と料金を見る

この記事のよくある質問

点群から、樹木の本数・樹高・胸高直径はどう求めますか?
UAVの点群から樹冠高モデルを作り、局所的な高さの極大値を樹頂点として検出して本数と樹高を出します。胸高直径(地上高1.3m)は地上型レーザースキャナの幹断面に円を当てはめて求めます。
計測の時期は、どう選べばよいですか?
落葉期は樹冠の点群密度が下がり、樹頂点の検出に影響します。病害虫の確認なら葉のある時期、幹の形状の詳細把握なら落葉期が向いており、目的に応じた時期選定を事前に協議します。
危険木や支障木の把握にも使えますか?
傾斜した幹、極端に偏った樹冠、枯れ枝の集中などは点群の形状から抽出しやすく、優先して現地点検すべき個体を絞る補助情報になります。現地確認はその木に集中させる運用が現実的です。
東海エアサービス株式会社

名古屋市名東区のドローン測量・3次元計測の会社です。土量・出来形・在庫・設備を測り、点群・図面・数量計算書で納品しています。測量業登録 第(1)-37730号。