太陽光発電用地の農地転用・境界確認|測量で確認すべき実務ポイント

太陽光発電用地の測量というと、造成前の現況測量や造成中・造成後の土量・出来形管理を思い浮かべる方が多いかと思います。造成そのものの測量については、個別記事「太陽光発電所の造成測量|現況測量から土量・出来形まで」で詳しく解説しています。

本記事では、造成に着手する前の段階で問題になりやすい「農地転用手続きで確認される測量事項」と「境界杭が現存しない場合の越境確認・土地家屋調査士との役割分担」の2点に絞って、測量会社の立場から実務のポイントを整理します。

太陽光用地で農地転用が問題になる場面

候補地が農地(田・畑)である場合、太陽光発電設備の設置には農地法に基づく転用手続き(4条・5条許可、または農地区分によっては農業委員会への届出)が必要になるケースがあります。農振地域(農業振興地域)に指定されている場合は、農振除外の手続きが先に必要になることもあります。

転用の可否・必要書類・手続きの流れそのものは、地域の農業委員会や行政書士への確認が必要な行政手続きです。当社は許認可の代行は行いません。転用申請に添付する図面(位置図・地番図・現況の測量図など)の作成に必要な、現地の測量パートを担当しています。

農地転用手続きで確認される測量事項

申請書類の作成にあたって、以下のような測量事項が確認されることが多いという相談を受けます。

  • 現況の地目・利用状況(実際に耕作されているか、休耕地か)と公図・登記簿上の地番・地目の照合
  • 公図と現地の面積の不一致(いわゆる縄伸び・縄縮み)の有無の把握
  • 申請予定地の正確な面積・形状(現況測量による確定)
  • 造成計画・排水計画の前提となる敷地内の高低差・勾配の把握
  • 隣接する農地・水路・里道との位置関係

これらはUAV写真測量やGNSS測量による現況測量で面的に把握し、TREND-POINT・TREND-ONE等の処理ソフトで図面化して納品しています。申請書類そのものの様式・要否は自治体ごとに異なるため、最終的な確認は行政窓口・行政書士にお願いしています。

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境界杭が現存しない場合の越境確認

候補地が長期間管理の行き届いていない農地・山林であるほど、境界標(境界杭)が現地に見当たらない、あるいは一部しか残っていないという相談を受けます。この状態のまま造成・フェンス設置に進むと、隣接地との越境(樹木の越境・工作物の越境・フェンスの越境設置など)に気づかないまま着工してしまうリスクがあります。

当社が行うUAV写真測量・現地測量では、現況の地形・構造物・植生の位置を三次元データとして面的に取得できるため、境界と思われるライン付近に越境物がないか、公図・既存図面との位置関係に大きなズレがないかを、造成着手前の段階で確認する材料として活用いただけます。

ただし、これはあくまで現況の把握であり、法的な境界(筆界)を確定する行為ではありません。境界標が現存しない場合の筆界の確認・確定、隣接地権者との境界立会いは、土地家屋調査士の業務範囲になります。

土地家屋調査士との役割分担

太陽光用地の案件では、以下のように役割を分けて考えると整理しやすいという説明をしています。

  • 当社(測量会社)が対応する範囲:UAV写真測量・レーザー測量による現況の三次元データ取得、面積・地形・高低差の把握、造成計画検討のための図面化
  • 土地家屋調査士が対応する範囲:筆界の確認・境界確定測量、隣接地権者との境界立会い、地積更正・分筆登記などの登記手続き

境界確定が必要かどうかが見積の初期段階で分からないケースも多いため、当社では見積時に「境界標の有無」「境界確定の要否」をヒアリングし、必要な場合は土地家屋調査士への依頼が別途必要になる旨を先にお伝えするようにしています。

現場でよくあるご相談

  • 「農地転用の申請に添付する測量図・位置図がほしい」
  • 「境界杭が見当たらないが、造成前に越境していないか大まかに確認したい」
  • 「土地家屋調査士に正式な境界確定を依頼する前に、まず現況の面積・形状を把握したい」
  • 「公図と現地の面積が合っていない気がする。造成計画を立てる前に確認したい」

見積時に確認している項目

  • 用地の地目・農地区分(農用地区域内か区域外か)
  • 公図・登記簿との照合が必要かどうか
  • 境界標(境界杭)の現地での有無
  • 隣接地権者との境界立会いの予定有無(土地家屋調査士への依頼要否)
  • 希望する成果物(現況測量図・点群・オルソ画像など)と納期

東海エアサービスが対応できること

  • 測量業 登録第(1)-37730号・全省庁統一資格を持つ測量会社として、農地転用申請や境界確認の前段階で必要になる現況測量・図面化に対応します。
  • UAV写真測量・レーザー測量の両方に対応し、用地の広さ・地形・植生の状態に応じて手法を組み立てます。
  • 処理にはMetashape・Pix4Dmapper・TREND-POINT・TREND-ONE等を使用し、点群(LAS/LAZ)・オルソ・DSM/DTM・DXF/PDFなど用途に合わせた形式で成果物を納品します。
  • 対応フローはロケハン(現地・図面の事前確認)→測量→データ処理→社内QC→納品です。
  • 役割分担の明確化:農地転用許可そのものの判断・申請代行は行政書士、筆界の法的確定・登記は土地家屋調査士の業務範囲です。当社は現況の測量パートを担当し、必要に応じて連携先の紹介・相談も承ります。
  • 造成計画が固まった後の土量算出・出来形管理については、個別記事「太陽光発電所の造成測量|現況測量から土量・出来形まで」をご覧ください。

農地転用・境界確認のご予定があれば、段階に合わせてご提案します

太陽光用地の農地転用・境界確認について、現況測量が必要かどうかの確認は見積前に無料で行っています。

TAS Technical Writing Team(技術記事監修)
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