点群データの容量はどれくらいになるか
ドローン測量で生成された点群データは、現場の規模や飛行計画によってファイルサイズが大きく変わります。実務でよく使われるLAS形式(非圧縮)とLAZ形式(圧縮)の容量目安を以下に示します。
| 現場規模 | 点密度 | LAS容量目安 | LAZ容量目安 |
|---|---|---|---|
| 0.5ha(小規模宅地) | 300点/m² | 約1〜3GB | 約200〜500MB |
| 1ha(中規模土工) | 300点/m² | 約3〜8GB | 約500MB〜1.5GB |
| 5ha(ダム・造成地) | 200点/m² | 約15〜30GB | 約3〜6GB |
| 50ha以上(広域路線) | 100点/m² | 50GB超 | 10GB超 |
LiDARスキャン(地上型・航空型)の場合は点密度がさらに高くなるため、同面積でも10〜100倍の容量になることもあります。
LAS形式とLAZ形式の違い
LAS(.las)
点群データの標準フォーマット。American Society for Photogrammetry and Remote Sensing(ASPRS)が策定したオープン規格です。非圧縮のため処理ソフトへの読み込みが速く、互換性が高い反面、ファイルサイズが大きくなります。
LAZ(.laz)
LASをロスレス圧縮したフォーマット。元のLASと完全に等価なデータを保ちながら、容量を約1/5〜1/10に削減できます。保存・転送コスト削減に有効で、長期保存にも適しています。最新のMetashape・Pix4D・CloudCompareはLAZ直接読み込みに対応しています。
効率的な保存・管理方法
プロジェクト単位のフォルダ構成
点群データは案件ごとにフォルダを分け、命名規則を統一することが重要です。以下は推奨フォルダ構成の例です。
案件名_YYYYMMDD/ ├── 01_rawdata/ # ドローン撮影生データ(JPG/TIFF) ├── 02_processing/ # Metashape/Pix4Dプロジェクトファイル ├── 03_pointcloud/ # 点群データ(LAS/LAZ) ├── 04_dsm_ortho/ # DSM・オルソ画像(GeoTIFF) ├── 05_report/ # 測量報告書・成果品 └── README.txt # 案件概要・処理パラメータ記録
NAS(ネットワーク接続ストレージ)の活用
点群データは容量が大きいため、個人PCではなくNASでの一元管理が推奨されます。NASを使うメリットは以下の通りです。
- 複数の担当者が同一データにアクセスできる
- RAID構成でデータの冗長性を確保できる
- SynologyやQNAPならクラウドとの自動同期が可能
- 外付けHDDよりも信頼性が高く、長期保存に適している
クラウドストレージの活用
クライアントへのデータ納品や遠隔地での閲覧にはクラウドストレージが便利です。
| サービス | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| Google Drive | 操作が簡単・共有が容易 | 納品・社内共有 |
| AWS S3 | 大容量・低コスト | 長期アーカイブ |
| Pointscene / Skydio | 点群専用ビューアー付き | クライアント提示 |
| Autodesk Docs | BIM連携・現場共有 | BIMプロジェクト |
長期保存の注意点
フォーマットの将来性
LAS/LAZ形式は業界標準であり、今後も長く使われると見込まれます。ただし、独自フォーマット(特定ソフトの専用形式)での保存は将来のソフト変更時に読み込めなくなるリスクがあります。最終成果物は必ずLAS/LAZ形式でも保存してください。
メタデータの保存
点群データだけでなく、以下のメタデータも必ず記録・保存しておくことが重要です。
- 測量実施日・飛行高度・使用機材
- 座標系(EPSGコード)・測地系
- GCPの座標値・配置数
- 処理ソフトのバージョンと主要パラメータ
- 精度検証結果(GCPとの誤差)
まとめ
点群データの容量は現場規模・点密度によって大きく変わりますが、LAZ形式への変換と適切なフォルダ管理を徹底することで、保存コストと運用負荷を大幅に削減できます。東海エアサービスでは、データ管理体制の構築支援から点群処理の内業代行まで対応しています。