国土調査(地籍調査)や都市計画の基礎調査では、現況の土地利用・地形・建物配置を面的に把握することが求められます。広大なエリアを従来の地上測量だけでカバーしようとすると、人員と時間のコストが大きくなりがちです。RTK/PPKに対応したドローンによる写真測量を使うことで、広範囲の現況データを効率よく取得できるようになってきました。ただし、地籍調査や都市計画の場面でドローン測量を活かすには、できることとできないことを正確に理解することが重要です。
ドローン写真測量でできること
東海エアサービスでは、DJI系RTK/PPK対応機を使った写真測量により、以下のデータを取得・提供しています。
| 取得データ | 地籍・都市計画での活用場面 |
|---|---|
| オルソ画像(GeoTIFF) | 土地利用現況の目視確認・用途区分の参考資料作成 |
| 数値地形モデル(点群LAS/LAZ) | 地形把握・起伏の面的確認・法面・水路等の位置関係確認 |
| 2Dベクタ図(DXF/DWG) | 現況建物配置・構造物位置の図面化 |
| PDFレポート | 現況報告資料・立会い前の事前確認資料 |
オルソ画像は位置情報が付与された正射投影画像であり、GISソフトや国土数値情報と重ね合わせることができます。都市計画基礎調査における建物現況調査や土地利用現況調査の補助資料として活用できるほか、地籍調査の現地調査段階で事前に土地の形状や隣接状況を把握するための参考データとしても使われています。
地籍調査での位置づけと留意点
地籍調査において、筆界(境界)の確定は国土調査法に基づく法定手続きによって行われます。筆界の確定には土地所有者の立会いと確認が必要であり、地積測量図の作成・登記申請には土地家屋調査士などの有資格者の関与が法的に求められます。
ドローンによる写真測量は、この法定手続きそのものを代替するものではありません。あくまで現況地形・土地利用・建物配置を面的に把握するための補助手段として位置づけられます。立会い前の現況確認、関係者との事前協議資料、あるいは調査完了後の記録としての活用が現実的な場面です。
実務上、「ドローンで境界が確定できるのか」という相談をいただくことがありますが、法的な筆界確定はドローン測量の成果だけで完結するものではありません。現況データとして提供できる情報の範囲を事前に整理したうえで業務設計することが、後工程のトラブル防止につながります。
計測・運用上の留意点
地籍・都市計画用途でドローン測量を実施する際、現場でよく確認が必要になるポイントを整理します。
座標系と公共測量準拠:国土調査・都市計画基礎調査に使用するデータは、公共測量作業規程に準拠した座標系(平面直角座標系)での出力が求められる場合があります。東海エアサービスでは、RTK/PPKによるGCP測量を含めた公共測量対応フローで対応しています。成果品の座標系・精度要件は事前に確認してから計測設計を行います。
植生・樹木による地表の隠蔽:農地・山林・緑地では、植生によって地表面が写真測量では捉えにくくなります。点群から地表モデルを生成する際は、植生フィルタリングの処理が必要になる場合があり、過密な樹木下では精度が低下します。対象エリアの植生状況によっては、調査可能な範囲や精度の前提条件を共有したうえで計画を立てる必要があります。
個人情報・プライバシーへの配慮:市街地での飛行では、住宅の庭・駐車車両・人物が撮影範囲に入る可能性があります。飛行計画の段階で対象エリアの範囲を明確にし、必要に応じて関係者への事前周知・画像マスキング処理を検討します。
よくあるご質問
Q. 地籍調査の補助資料としてオルソ画像を提出できますか?
A. 取得したオルソ画像(GeoTIFF)や点群データは、現況把握の参考資料として提出することが可能です。ただし、それが法定手続き上の証明書類として扱われるかどうかは、各自治体・調査機関の判断によります。事前に担当窓口へ確認されることをお勧めします。
Q. 都市計画基礎調査の建物現況調査にそのまま使えますか?
A. 建物外形の現況把握や用途の目視確認の補助資料として活用されている事例はあります。ただし、建物用途の確定や法定台帳への登録には、現地確認や関係資料との照合が別途必要です。調査仕様書の要件を事前にご共有いただくと、対応範囲を整理してご提案できます。
東海エアサービスの実務での進め方
東海エアサービス(測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格)では、地籍・都市計画関連のご相談に対して、以下の流れで対応しています。
まず対象エリアの広さ・植生状況・必要な座標系・成果物の仕様をヒアリングします。次に、ロケハン(現地事前確認)を経て飛行計画を策定します。計測後はMetashapeまたはPix4Dmapperで写真処理を行い、オルソ画像・点群を生成します。点群処理が必要な場合はTREND-POINT・TREND-ONEを使用し、DXF/DWG形式での図面化にも対応しています。成果品は用途に応じてGeoTIFF・LAS/LAZ・DXF・PDFの形式で納品しており、GIS重ね合わせへの対応についても個別にご相談を受け付けています。全国対応が可能です。
計測のご相談はお気軽に。関連記事はドローン測量の記事一覧に。
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