道路橋・トンネル・法面などのインフラ構造物は全国的に老朽化が進んでおり、定期点検の件数・頻度ともに増加傾向にあります。東海地方は高速道路・幹線道路が密集するエリアであり、維持管理の現場では「人員と時間をどう確保するか」という課題が慢性化しています。ドローン・3D計測・赤外線技術は、こうした道路インフラ点検の効率化・補完手段として現場に取り入れられています。
ドローン・3D計測・赤外線でできること
道路インフラの維持管理において、ドローンや3D計測技術が対応できる主な用途は以下のとおりです。
| 対象 | 技術・手法 | 主な成果物 |
|---|---|---|
| 法面(のり面) | UAV写真測量・LiDAR点群 | 3D点群(LAS/LAZ)・変状分布図(DXF/PDF) |
| 橋梁桁下・床版 | ドローン近接撮影・赤外線カメラ | 高解像度写真・熱画像・ひび割れ展開図 |
| 舗装面 | UAV空撮・点群処理 | DSM(数値表面モデル)・ひび割れ俯瞰図 |
| 道路縦横断測量 | RTK/PPKドローン測量 | 縦横断図(DWG/DXF)・地形図 |
法面・のり面の変状把握
急傾斜地や高盛土部の法面は、作業員が直接立ち入るリスクが高く、全面的な目視確認が困難なケースがあります。ドローンとLiDAR点群を組み合わせることで、広範囲の3Dデータを取得し、崩落・亀裂・変形の分布を面的に把握する補完データとして活用できます。地上型レーザースキャナとの併用により、近づきにくい箇所の点群密度を補うことも可能です。
橋梁桁下・床版の確認支援
橋梁の桁下や床版裏面は、高所作業車や足場を用いた近接目視が基本となります。ドローンによる撮影は、事前の状態把握や広域スクリーニングの効率化を目的とした補完的な役割を担います。赤外線カメラを搭載したドローンは、コンクリート表面の温度差から剥離・空洞傾向を捉える手がかりを得ることができますが、確定的な診断は別途専門的な判断が必要です。
舗装の俯瞰的把握
UAV空撮による舗装面の俯瞰撮影は、路面状態の広域記録や定期的な変化確認に活用できます。点群データから作成したDSMは縦断勾配・横断形状の確認にも用いられます。
東海エリアの現場特性
東海地方には、東名高速道路・新東名高速道路・名神高速道路・名阪国道・東海環状自動車道など、広域幹線道路が集中しています。これらは開通から数十年が経過した路線を多く含み、構造物の経年劣化に対応した維持管理ニーズが高まっています。
- 山間部の法面:新東名や東海環状など山岳区間では、急勾配の切土・盛土法面が連続します。風雨・植生・湧水による変状が起きやすく、広範囲を短時間で記録するドローン計測のニーズが高い区間です。
- 沿岸部の塩害環境:伊勢湾・三河湾に近い道路では、飛来塩分によるコンクリート中性化・鉄筋腐食が促進されやすい環境です。橋梁や高架構造物の点検では塩害進行の経過観察が重要な視点となります。
- 都市部の交通量:名古屋圏を中心とした幹線道路は交通量が多く、点検・計測作業における第三者被害防止と交通規制の最小化が重要な課題です。
近接目視・交通規制との関係
道路橋定期点検要領(国土交通省)では、5年に1回の定期点検において近接目視が基本とされています。ドローンや3D計測は、この法定の近接目視を完全に代替するものではなく、点検の効率化・補完・記録の充実を目的として活用されます。
ドローンを道路インフラ点検に用いる際には、以下の点を事前に整理する必要があります。
- 飛行空域・航空法上の手続き(国土交通省への申請等)
- 道路管理者・警察との交通規制協議(規制が必要な場合)
- 第三者被害防止措置(飛行中の安全区域確保・監視員配置等)
- 高速道路上空での飛行は道路管理者との事前調整が必要なケースがある
現場条件によっては、交通規制を設けずに実施できる場合と、規制が前提となる場合があります。現地の道路種別・飛行位置・作業内容をもとに、関係機関との事前調整が必要です。
よくあるご質問
- Q. ドローンで橋梁点検を行うと、近接目視の義務がなくなりますか?
A. 道路橋定期点検要領に基づく近接目視の義務はドローン利用によって免除されるものではありません。ドローンや赤外線計測は、点検の効率化・記録の充実・近づきにくい箇所の状況把握を補完する目的で活用します。点検の判定・診断は資格を有する技術者が行います。 - Q. 高速道路の法面や橋梁でもドローン計測は実施できますか?
A. 高速道路上空・隣接空域での飛行は、道路管理者(高速道路会社等)との事前協議・承認が必要です。一般道と比べて手続きが複雑になるケースが多いため、計画段階から関係者との調整を進めることを推奨します。当社では現地調査・申請書類の整備を含めた対応に対応しています。
東海エアサービスの実務での進め方
東海エアサービスでは、道路インフラの点検・計測支援において以下の流れで対応しています。
- 現地ロケハン:対象路線・構造物の現地確認を行い、飛行ルート・離発着場所・安全区域を事前に設定します。交通量・周辺環境・電波環境も確認します。
- 申請・調整:航空法に基づく飛行申請、道路管理者・警察との交通規制協議を代行または支援します。
- 計測・撮影:DJI系RTK/PPK対応ドローン(赤外線カメラ含む)および地上型レーザースキャナを現場条件に応じて組み合わせて使用します。測量業登録(第(1)-37730号)・全省庁統一資格を保有しています。
- 点群処理・成果物作成:取得データはTREND-POINT・TREND-ONEで処理し、LAS・LAZ・DWG・DXF・PDF・点検写真などの形式で納品します。縦横断図・変状分布図・赤外線熱画像レポートも対応可能です。
- 品質確認・納品:成果物は内部チェックを経て納品します。後工程での利用形式(CAD取込・GIS連携等)に合わせたフォーマット調整も承ります。東海地方を中心に全国対応しています。
東海エリアの計測のご相談はお気軽に。関連記事はドローン測量の記事一覧に。
ドローン測量・計測のご相談
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