公共インフラの老朽化対応や防災対策の高度化を背景に、自治体・市町村がドローン測量(UAV写真点群測量)を発注する機会は増加しています。一方で、測量業務の発注経験が少ない担当者にとっては「どの発注方式を選ぶか」「仕様書に何を書けばよいか」「業者要件をどう定めるか」といった点で迷いが生じることも少なくありません。本記事では、自治体がドローン測量を発注する際の一般的な考え方を整理します。
発注方式の整理
自治体の測量発注には主に以下の方式があります。いずれを選ぶかは業務の規模・性格・緊急性・各自治体の規則によって異なります。
| 方式 | 概要 | 主な適用場面 |
|---|---|---|
| 一般競争入札 | 公告により広く参加を募り、価格競争で落札者を決定する | 一定額以上の測量業務 |
| 指名競争入札 | 発注者が複数業者を指名して競争させる | 地域に精通した業者が必要な場合など |
| 随意契約(見積競争) | 2社以上から見積りを徴収して契約する | 比較的小規模・緊急性が高い案件 |
| プロポーザル(企画提案) | 技術提案書を評価し、価格と技術を総合評価する | 高度な技術・計画立案が求められる業務 |
適用すべき方式や金額基準は各自治体の財務規則・契約規則によって定められています。発注前に所管の契約担当部署に確認することが重要です。
仕様書で定めるべき項目
ドローン測量の仕様書には、一般的な測量業務の仕様書に加え、UAV特有の項目を盛り込む必要があります。現場でよくある相談として「どこまで仕様書に書けばよいか分からない」という声がありますが、以下の観点を整理しておくと受発注双方のトラブルを防げます。
- 業務範囲・対象エリア:測量対象地の面積・形状・飛行禁止区域の有無、地上基準点(GCP)の設置要否を明記する。
- 精度要件:公共測量の場合は「公共測量作業規程の準則」(国土地理院)に基づく精度等級を指定する。UAV写真測量では地上解像度(GSD)の目標値を設定するケースが多い。
- 成果物の形式:点群データ(LAS・LAZ)、地形図(DXF・DWG)、オルソ画像(GeoTIFF)、断面図(PDF)など、後工程で必要な形式を具体的に列挙する。
- 公共測量準拠の明示:「公共測量として実施する場合は測量法に基づく作業計画の承認・精度管理・完了届出が必要」である旨を明記し、測量成果の認証要否も確認する。
- 電子納品:国土交通省の電子納品要領への準拠を求める場合はフォルダ構成・ファイル命名規則まで指定する。
- 履行期限・中間報告:現地計測日・成果品納品日に加え、途中段階での精度確認報告の有無を定める。
業者要件の考え方
ドローン測量の受注業者に求める資格・体制として、以下が一般的に参照されます。
- 測量業登録:測量法に基づく測量業者登録(建設コンサルタント登録とは別)。公共測量を受託するには登録業者であることが要件となります。東海エアサービスは測量業 登録第(1)-37730号を保有しています。
- 全省庁統一資格:国や地方自治体の入札参加資格として「全省庁統一資格」(役務等)の取得が求められるケースがあります。東海エアサービスは役務・全国区分で保有しています。
- UAV操縦資格・保険:国土交通省への飛行許可・承認取得実績や機体賠償責任保険への加入を確認することが現場では一般的です。
- 実績・体制:類似公共測量の施工実績、現場担当者の資格(測量士・測量士補)の配置計画を提出させるケースがあります。
いずれの要件も、業務の規模・難易度に応じて過剰にならないよう設定することが、参加業者を確保するうえでも重要です。
留意点
- 積算・予定価格は発注者が定める:測量業務の予定価格は積算基準などを参考に発注者側で算定します。業者から見積りを先に取得して予定価格に充てることは、原則として適切ではありません。
- 要領・基準の改定確認:公共測量作業規程の準則や電子納品要領は定期的に改定されます。仕様書作成時は最新版を国土地理院・国土交通省のウェブサイトで確認してください。
- 航空法・関係法令の確認:ドローン飛行には航空法に基づく飛行許可・承認(特定飛行の場合)が必要です。仕様書に「受注者が必要な許可を取得すること」を明記しておくと後のトラブルを防げます。
よくあるご質問
- Q. 随意契約で発注した場合も、公共測量の手続き(作業計画の承認など)は必要ですか?
- A. 発注方式(競争入札か随意契約か)と測量法上の手続きは独立した問題です。公共測量として実施する場合は、契約形態にかかわらず作業計画の承認・精度管理・完了届出が必要です。詳細は所管の地方測量部または市区町村の担当部署にご確認ください。
- Q. 成果物としてLASデータを求める場合、バージョン指定は必要ですか?
- A. 後工程で使用するソフトウェアがLASのバージョンを限定している場合は、仕様書にLAS 1.2・1.4などバージョンを明記することを推奨します。指定がない場合でも、受注者に採用バージョンを事前確認しておくと納品後の互換性トラブルを防げます。
東海エアサービスの実務での進め方
東海エアサービスは、測量業 登録第(1)-37730号および全省庁統一資格(役務・全国)を保有し、自治体・公共機関からのドローン測量業務に対応しています。使用機材はDJI系のRTK・PPK対応機で、作業計画段階から地上基準点の配置・飛行ルート・精度管理計画を作成します。
点群処理にはTREND-POINTおよびTREND-ONEを使用し、成果物はLAS・LAZ・LandXML・DWG・DXF・PDFなど発注仕様に応じて対応しています。現地計測後の標準納期は5営業日(急ぎ対応は3営業日)で、電子納品フォルダ構成の要求がある場合も個別に対応可能です。
発注仕様書の内容確認・現地踏査・見積りのご相談は、事前のやりとりから対応しています。「仕様書をこれから作る段階」のご相談も受け付けています。東海エアサービスは名古屋を拠点に全国対応しており、官公庁・自治体案件の経験をもとに仕様整理の段階からサポートします。
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