「来月もお願いしてもいいですか?」
それは、とても嬉しい一言でした。
1年前、当社が初めて砕石ヤードの在庫計測依頼を受けたのは「このプロジェクト限りで」という話でした。
「土量の把握が必要なので、今月だけドローン測量をしてもらえませんか?」
それが、今では「来月も、その次の月も毎月お願いしたい」に変わりました。
初回依頼:「とりあえず今月だけ」
中堅建設会社の資材ヤード担当者から、こんな相談を受けました。
「砕石の在庫を毎月把握する必要があるんです。今まで目分量で『だいたい1000トンくらい』と管理していたんですが、発注・在庫管理の精度が必要になってきて」
従来は、巻尺とメジャーで目測する。当然、精度は低く、在庫のばらつきが大きかったと言います。
「ドローン測量で、正確な土量が計算できるなら、一度試してみたい。ただし、今月だけでいいです」
初回は15万円の費用で了承してもらいました。
初回飛行:「え、こんなに正確なんですか?」
3日後、当社のドローンがヤードで飛行しました。
撮影時間は30分。処理してから1週間で、3次元点群データと体積計算結果が揃いました。
結果:砕石在庫 = 1,247トン(±5cm精度)
担当者の反応は驚きでした。
「え、こんなに正確に出せるんですか?今まで『だいたい1000トン』だと思ってたのに、実は1200トン以上あったんですか」
その情報が、その後の発注計画を大きく変えました。
初回後の変化
データが出た直後、その建設会社は内部で議論を始めたそうです。
「この精度なら、毎月やる価値があるんじゃないか」
理由は3つ:
1. 在庫精度の向上
目分量では分からなかった在庫が、正確に把握できるようになった。発注のタイミングが最適化されました。
2. 無駄な在庫を減らせた
「実は1000トンあると思ってたのに1200トン。それなら今月の発注は減らそう」という判断ができるようになった。月次での在庫コスト削減に直結します。
3. 信頼性の向上
目分量の報告では「本当?」と疑われることもあった在庫管理。ドローン測量で「客観的なデータ」が出せるようになって、社内での信頼度が上がったそうです。
2ヶ月目のお願い
初回から3週間後、担当者から連絡がありました。
「来月も同じようにお願いできませんか?できれば毎月」
当初の「今月だけ」という予定から一転、継続契約に変わりました。
単価は月15万円。年間180万円の継続契約です。
当社にとって、初めての「月次定期契約」でした。
月次計測の意味
月を重ねるごとに、在庫データの活用方法も進化していきました。
「前月比でこれだけ在庫が減ってるから、来月の発注は抑えよう」
「毎月の在庫曲線をグラフにすると、季節変動がはっきり見える」
単なる「今月の在庫量」を知るだけでなく、時系列でのトレンド分析ができるようになりました。
中堅建設会社の資材管理が、定量的な経営判断に変わっていったのです。
「なぜ毎月なのか」
一度の測量では分からないことがあります。
建設プロジェクトは、月によって必要な砕石の量が変わります。基礎工事の時期、舗装工事の時期、それぞれで在庫ニーズが違う。
毎月計測することで「この時期は在庫を多めに持つべき」「この時期は減らせる」という最適なサイクルが見えてきます。
それは、単なるコスト削減を超えた「経営判断の質向上」に繋がっています。
このケースから学んだこと
私たちが気づいたのは「ドローン測量は、一度きりの測量ではなく、継続計測で初めて価値が出る」ということです。
在庫計測、進捗管理、鉱山の掘削量追跡…時系列データが必要な案件ほど、月次定期が最適です。
初回15万円が「高い」に見えたお客さんも、月2回目からは「毎月この価値が得られるなら安い」と判断してくれました。
今では
あの砕石ヤード案件から1年以上。
月次計測は継続中で、そこから得たノウハウは、他の建設会社への提案にも活かされています。
「一回の測量で終わる」と思っていた案件が、実は「継続的な経営支援」に進化した。これが、当社がドローン測量を単なる計測サービスではなく「経営支援ツール」として提供したい理由です。