Agisoft Metashapeとは
Agisoft Metashape(旧称:Agisoft PhotoScan)は、ドローンや地上カメラで撮影した複数枚の写真から3次元点群データ・DSM・オルソ画像を生成するフォトグラメトリーソフトウェアです。建設・測量・インフラ管理の現場で広く採用されており、東海エアサービスでも主力処理ソフトとして活用しています。
本記事では、測量未経験の方でもわかるよう、ドローン写真の取り込みから最終成果物の出力まで、基本ワークフローをステップごとに解説します。
Metashapeの基本ワークフロー
ステップ1:写真の取り込みとチャンク作成
Metashapeを起動し、「ワークフロー」→「写真を追加」からドローンで撮影したJPEGまたはTIFFファイルを読み込みます。1フライト分を「チャンク」という単位で管理します。
- オーバーラップ率80%以上・サイドラップ60%以上が推奨
- GCP(地上基準点)を使用する場合は座標ファイル(CSV形式)も準備する
- RTK対応ドローン(DJI Phantom 4 RTK等)の場合はExif情報に高精度座標が埋め込まれている
ステップ2:写真アライメント(位置合わせ)
「ワークフロー」→「写真のアライメント」を実行します。Metashapeが各写真の特徴点を検出し、カメラ位置を推定します。
- 精度設定:「最高」または「高」を推奨(処理時間は増加するが精度向上)
- 基準点数:100〜500点程度が目安(多すぎると処理が重くなる)
- エラーが出た写真は除外することも検討する
ステップ3:GCP配置(使用する場合)
RTKを使用しない場合はGCP(地上基準点)を配置します。「マーカー」機能でGCPの座標を手動でピン打ちし、座標データをインポートして位置を最適化します。適切なGCP配置により、水平±3cm・垂直±5cm程度の精度を実現できます。
ステップ4:高密度点群の生成
「ワークフロー」→「高密度点群の生成」を実行します。これが最も時間がかかる処理です。
- 品質:「高」または「中」(「最高」はRAM・GPU負荷が非常に高い)
- フィルタリング:「穏やか」〜「積極的」で不要点を除去
- 処理時間目安:1haのデータで30分〜2時間(PCスペックによる)
ステップ5:DSM・オルソ画像の生成
点群から地形モデル(DSM/DTM)とオルソ画像を生成します。
- 「ワークフロー」→「DSMの生成」:ラスター形式の標高データ(GeoTIFF)
- 「ワークフロー」→「オルソ写真の生成」:幾何補正済みの正射影像
- 座標系はJGD2011(EPSG:6668〜6687)を指定することが多い
ステップ6:成果物のエクスポート
最終成果物を用途に合わせてエクスポートします。
| 成果物 | 推奨フォーマット | 主な用途 |
|---|---|---|
| 点群データ | LAS / LAZ | CADソフト・GISへのインポート |
| 地形モデル | GeoTIFF / DXF | 土量計算・設計図重ね合わせ |
| オルソ画像 | GeoTIFF / JPEG | 現況把握・報告書添付 |
| テクスチャ付き3Dモデル | OBJ / FBX | BIM連携・プレゼン用 |
処理精度を上げるためのポイント
飛行計画の段階から精度を意識する
Metashapeの処理精度は、フライト計画の品質に大きく左右されます。以下の点を事前に確認してください。
- 地上解像度(GSD)は2〜3cm/pixelが実務的な目安
- 飛行高度は低いほど点密度が上がるが、風の影響も受けやすくなる
- 晴天・日陰なし・無風に近い条件での撮影が理想
PCスペックの重要性
高密度点群の生成にはGPU処理が有効です。NVIDIAのCUDA対応GPUがあるとMetashapeの処理速度が大幅に向上します。RAM32GB以上・SSDストレージも推奨されます。
まとめ
Agisoft Metashapeは、ドローン測量の内業(データ処理)における中核ツールです。アライメント→点群生成→DSM/オルソ出力という一連のワークフローを理解することで、現場での品質管理や外注判断にも活用できます。東海エアサービスでは、Metashape・Pix4Dmapperを活用した点群処理の内業代行も承っております。