木曽三川流域の治水・洪水対策|木曽川・長良川・揖斐川ドローン計測

木曽川・長良川・揖斐川が並走する濃尾平野は、日本でも有数の治水難所として知られています。輪中地帯やゼロメートル地帯を抱えるこの流域では、出水のたびに堤防法面の洗掘・変状・河床変動が生じやすく、平常時から現況を数値で把握しておくことが維持管理の前提となります。東海エアサービスでは、この流域を含む河川計測の相談をいただいており、UAVによる点群取得と地上型レーザースキャナの組み合わせで現況データを提供しています。

ドローン計測でできること

堤防・河床・高水敷(河川敷)の三次元現況把握は、UAV写真測量またはUAVレーザーによる点群取得で実現できます。得られたLAS/LAZデータをTREND-POINTで処理することで、断面形状・法面勾配・局所的な侵食箇所の抽出が可能になります。出水前後の同条件で計測したデータを重ね合わせると、盛土量・削取量の差分を定量的に把握できます。

計測対象取得データ主な活用場面
堤防法面点群・オルソ画像法面勾配確認・洗掘箇所の抽出
高水敷(河川敷)DSM/DTM・等高線植生繁茂状況・土砂堆積量の変化把握
堤防天端・法肩断面データ・DXF天端高さ確認・変状モニタリング
出水前後の比較差分モデル洪水による地形変化の定量評価

成果物はLAS・LAZ(点群)、DWG・DXF(断面図・平面図)、PDF(報告書)の形式で納品しており、既存の河川管理システムや設計ソフトへの取り込みを想定しています。

木曽三川流域の現場特性

木曽川・長良川・揖斐川の三河川は、濃尾平野で互いに接近しながら伊勢湾へ注ぎます。この地帯の地理的特徴として以下が挙げられます。

  • 輪中地帯:堤防で四周を囲まれた集落が点在し、堤防の連続性と高さが地域の治水水準に直結する
  • ゼロメートル地帯:海面以下の地盤が広がるため、堤防決壊時の浸水リスクが特に高い
  • 大河川の並走:三川が近接して流れるため、一河川の水位上昇が周辺河川に波及する複合的な洪水リスクがある
  • 高潮リスク:伊勢湾に面しているため、台風時の高潮が河川水位を押し上げる現象が起こりやすい

こうした地域特性から、流域の河川管理では定点・定期的な形状データの蓄積が重要とされています。なお、治水計画の立案・水位リスクの評価は河川管理者および専門機関が担う領域であり、計測データはその判断材料の一つとして位置づけられます。

計測・運用の留意点

基準点の固定:出水前後の差分を正確に算出するには、同一の基準点(GCP)を継続使用することが必須です。毎回の計測で基準点位置が変わると、差分データの信頼性が低下します。DJI系RTK機を使用する場合でも、地上基準点との照合による精度検証を実施しています。

同条件での反復計測:飛行高度・重複率・計測時刻(水面反射条件)を計測ごとに揃えることで、データの比較精度が高まります。条件が異なると、点群密度の差が形状変化と混同されるリスクがあります。

水面の取得制限:UAV写真測量では水面の点群取得が困難です。堤防・高水敷の形状把握は可能ですが、水中の河床変動については別途測量手法との組み合わせが必要になる場合があります。この点は計画段階でご確認ください。

出水後の機動計測:洪水後に速やかにデータを取得することで、被害箇所の特定と復旧優先順位の整理に活用できます。現場状況が刻々と変化するため、出水後の計測は安全確認のうえで早期実施が有効です。

よくあるご質問

Q. 長い堤防区間を効率よく計測することはできますか?
A. UAVは連続飛行による広域撮影が得意です。長延長の堤防でもフライトプランを分割して対応でき、TREND-POINTでの点群結合処理によって区間をつなぎ合わせた一体的なデータを作成しています。計測前にロケハン(現地確認)で飛行制限空域・障害物・離着陸場所を確認しています。

Q. 計測データを河川管理の維持修繕計画に使えますか?
A. 計測成果(DXF断面図・点群・PDF報告書)は維持修繕の参考資料としてご活用いただけます。ただし、治水計画や補修工法の判断は河川管理者・設計コンサルタントの専門領域です。東海エアサービスは現況データの取得・整理を担い、その後の計画立案は担当機関にお委ねする形を基本としています。

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東海エアサービスの実務での進め方

ご相談をいただいた後、まず現地ロケハン(事前確認)を実施します。対象区間の延長・堤防構造・飛行制限空域・基準点設置候補地を確認し、計測計画を立案します。計測当日はDJI系RTK/PPK対応ドローンで飛行・撮影し、地上基準点との照合によって精度を担保します。広範囲の計測や構造物が密集するエリアでは、地上型レーザースキャナを併用して点群を補完する場合があります。

取得した点群はTREND-POINTで処理し、断面図・等高線・差分モデルを作成します。納品形式はLAS・LAZ(点群)、DWG・DXF(図面)、PDF(報告書)に対応しており、ご要望に応じて形式を選択できます。計測後5営業日を標準納期としています。測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格を保有しており、官公庁・自治体案件の要件を満たしています。東海地方を中心に、全国対応しています。

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