「官公庁発注の工事では、あなたたちを選びたい」
地方整備局の担当者から、これ以上ない言葉をもらいました。
初めて、公共工事の出来形管理でドローン測量が採用された時の話です。
背景:i-Construction対応測量の需要
国土交通省が「i-Construction」政策を推し進める中、公共工事でも「デジタル測量」の導入が急速に進んでいました。
従来は、測量士が現場で巻尺とレベルを持って、地道に計測していた出来形管理。
それが、「3次元点群データ」「自動比較解析」という最新の測量技術へシフトしているのです。
ただし、公共工事には「誰でもいい」ではない。厳しい適格要件があります。
公共工事受注の最大の壁
「うちもドローン測量やってます」という民間業者は、日本全国で数千社に膨れ上がっていました。
その中で、官公庁発注の工事に選ばれるには:
1. 測量業登録(必須)
ドローンで計測したデータを「測量成果」として公式に認めてもらうには、測量業法に基づく登録が不可欠。当社は登録第(1)-37730号を取得済みです。
2. 全省庁統一資格(必須)
官公庁発注工事の入札には「全省庁統一資格」がないと、そもそも入札できません。
3. 精度証明(決定的)
ドローン測量の3次元データが「水平±3cm、垂直±5cm」の精度で計測されたことを、第三者が証明する必要があります。
これまで、民間のドローン業者ほぼ全社が「ウチの機器はこれくらいの精度です」という自己申告。
公共工事の発注側からは「本当?」という疑問が払拭されませんでした。
当社が選ばれた理由
国道改良工事の出来形管理で、当社が選ばれたきっかけは「精度証明」でした。
当社は、外部の検定機関に実際の計測精度を検証してもらい、証明書を取得しました。
「あなたたちのドローン測量は、公式に±3cm精度です」と、第三者が保証した。
その資格が、官公庁側の「信頼」を勝ち取りました。
「どうしてウチを選んだんですか?」
工事完了後、地方整備局の担当者に聞いてみました。
「他にも応札してくれた業者がいるのに、なぜ東海エアサービス?」
返ってきた答えは:
「測量業登録がある。全省庁統一資格がある。それに、精度が『証明されている』。民間のドローン業者の中で、ここまで正式に整備している会社は少ない」
官公庁発注側の視点では、「適当なドローン業者」ではなく「信頼できる測量会社」として選ばれたのです。
公共工事が意味するもの
民間工事と公共工事では、要求されるレベルが全く違います。
民間工事:「精度はどうですか?」「大体このレベルです」で契約成立。
公共工事:「その精度は、誰が保証するのか?」「政府の基準に適合するのか?」を、逐一確認。
つまり、公共工事の採用=「業界内での信頼度が確定した」という意味です。
その後の展開
初回の国道改良工事で実績を作った後、道府県内の複数の公共工事で採用されるようになりました。
土地改良区の農業用水路工事。河川改修工事。都市計画道路の外構工事。
「あの東海エアサービスなら、精度が確保される」という評判が、官公庁内で広がっていきました。
測量業登録を取得した意味
当社が測量業登録を取得した当初、「ドローンでいちいち登録が必要?」と驚く人も多かったです。
ですが、その登録こそが「官公庁発注市場へのパスポート」でした。
公共工事は、民間工事の数倍の規模。その市場に参入するには、「単なるドローン業者」ではなく「信頼できる測量会社」というポジションが不可欠です。
「ドローン測量の次のステージ」
ドローン測量業界は、いま転換点にあります。
- 初期段階:「ドローンで空撮できます」という新奇性で売る
- 成熟段階:「精度が証明されている」「官公庁採用実績がある」という信頼で売る
初めて公共工事に採用されたのは、この転換点を越えた証だと感じています。
当社が「ドローン測量会社」ではなく「測量会社」として認識されるようになった、大きなターニングポイントでした。