物流倉庫や工場のコンクリート床(スラブ)は、自動ラックシステム・フォークリフトの安全走行・精密機器の据付基準として高い平坦性が求められます。しかし目視や局所的な計測では、広大な床面の凹凸(不陸)や全体的な傾斜の傾向を正確に把握することは難しいものです。設備を設置した後に不陸が発覚すると、架台のシム調整や部分的な補修が必要になり、工期・コストに直接影響します。東海エアサービスでは、地上型レーザースキャナ(TLS)による床面の面的点群計測を通じて、不陸・水平度・傾斜の定量化に対応しています。
3Dスキャンで床面全体を定量化する
地上型レーザースキャナをスキャン位置を複数設けながら計測することで、広範囲の床面を高密度な点群データとして一括取得できます。取得した点群は、TREND-POINTを用いて以下の処理を行います。
| 処理ステップ | 内容 |
|---|---|
| 点群の位置合わせ | 複数スキャンポジションのデータを統合し、床面全体の連続した点群を構築する |
| 設計基準面の設定 | 設計図面・FL値・柱芯などをもとに基準面を定義する |
| 差分の算出 | 点群の各点と基準面との高低差を算出し、凸部・凹部を定量化する |
| 不陸マップの作成 | 高低差を色分け表示したマップを作成し、問題箇所を平面的に把握できる形で出力する |
成果物はLAS・LAZ形式の点群データに加え、不陸マップはPDFやDXF・DWG形式で納品します。設備設置の判断資料、施工後の竣工検査資料、補修範囲の特定資料として活用されます。物流倉庫・工場の現場では「どのエリアに不陸があるか」「その深さ・範囲はどの程度か」を平面上で確認できることが、現場の打ち合わせで特に有効だという相談を多くいただきます。
従来の点的計測との違い
従来、床の水平度確認はトータルステーション(TS)や光学レベルを使ったグリッド計測が一般的でした。グリッド間隔を一定の単位で設定し、測定点を順次記録していく方法は確立された手法ですが、計測点と計測点のあいだの状態は把握できません。局所的な陥没や盛り上がりがグリッドの節目に存在した場合、見落としが生じるリスクがあります。
TLSによる面的計測では、スキャン範囲の床面を高密度な点群で取得するため、グリッドの抜け間に存在する不陸も捉えることができます。特に自動倉庫のラックレールや精密機器の架台設置前後の品質確認では、面的なデータが要求される場面が増えています。東海エアサービスではTSによる従来の基準点計測と組み合わせることで、精度管理と面的把握の両立を図っています。
計測・運用の留意点
屋内床面のTLS計測では、いくつかの点に注意が必要です。
基準面の定義:「何を基準とするか」は計測前に必ず確定させます。設計図面のFL(仕上げ床面高)、既設構造物の基準高、柱芯の測量成果など、現場の状況と目的に応じて事前に合意形成が必要になります。基準面が不明確だと、差分計算の意味が成立しません。
床面の反射特性:コンクリートの素地・エポキシ塗装・タイルなど、床の仕上げによってレーザーの反射強度が異なります。反射が弱いまたは乱反射が強い床面では、スキャン設定や位置取りを調整する必要があります。現地確認の段階で表面状態を把握しておくことが重要です。
稼働中の安全・立入管理:フォークリフトが稼働する工場・倉庫で計測する場合、作業員の安全と動体の混入排除が必要になります。点群に動体が混入すると後処理でのノイズ除去工程が増えます。計測エリアの一時立入制限について、事前に現場管理者との調整を依頼しています。
GNSSが使えない屋内:TLS計測はGNSSを使用しないため、屋内の深い場所や地下倉庫でも計測が成立します。外部からの電波が届かない空間での計測でも対応可能です。
よくあるご質問
Q. 計測はどのくらいの広さまで対応できますか?
A. スキャンポジションを複数配置することで、延床面積が大きい倉庫や複数フロアにまたがる計測にも対応できます。スキャン位置の設計は現地の間仕切り・棚・設備の配置状況を確認したうえで決定します。まずは計測対象エリアの平面図または見取り図をご共有いただけると、位置計画の検討がスムーズになります。
Q. 稼働中の工場でも計測できますか?
A. 稼働中の環境での計測は、エリア区画や時間帯の調整によって対応できるケースが多くあります。ただし動体の混入が多い状況では点群の品質に影響が出るため、現地状況を確認したうえで計測計画を立案します。夜間・休日対応の相談も受け付けています。
東海エアサービスの実務での進め方
東海エアサービス(測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格)では、床面不陸計測の標準的な進め方を以下のように設定しています。
まず初回相談の段階で、計測目的(設置前の確認か・竣工検査か・補修前の現状把握か)と計測エリアの概要を確認します。目的によって基準面の設定方法・成果物の形式・納期の優先度が変わるため、この段階の確認が最も重要です。
現地ロケハンでは床面の仕上げ状態・間仕切りの有無・スキャン機器の搬入経路・計測中の安全確保の手順を確認します。その後、スキャンポジション計画・計測時間の見積もり・現場管理者との調整事項をまとめた計測計画書を提示します。
計測当日は地上型レーザースキャナで床面を取得し、複数スキャンのレジストレーション(位置合わせ)を現場または事務所で実施します。処理後、TREND-POINTで基準面との差分計算・不陸マップ作成を行い、LAS・LAZ・DXF・DWG・PDF形式で納品します。現地計測後の標準納期は5営業日を基本としており、工程上の急ぎ対応についても相談に応じています。自動倉庫・精密機器の設置計画、コンクリート床の補修計画立案、施工後の品質検査記録など、床面の不陸計測に対応しています。
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3D計測・点群活用のご相談
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