なぜ「できないこと」を先に説明するのか
ドローン測量は非常に便利で、多くのプロジェクトで活躍しています。しかし万能ではありません。むしろ「できないこと」を最初に知ることで、無駄な費用や工程遅延を防ぐことができます。
当社は218件以上の実績の中で、お客様に正直に「このプロジェクトには向きません」とお断りすることもあります。信頼とはそういうものです。
できないこと1:不動産の「境界確定」
土地の売買や相続で必要な「公式な境界確定」は、ドローン測量ではできません。
理由:
- 境界確定には、測量士試験合格者による「地積測量図」が必須
- ドローン測量は相対的な精度(±3cm)であり、絶対的な基準点との紐付けが必要
- 隣地所有者との立ち会い確認が法律で義務付けられている
境界確定は「測量士事務所」に依頼してください。ドローンはその補助データとして使用される程度です。
できないこと2:mm単位の精度が必要な場合
当社の標準精度は水平±3cm・垂直±5cmです。これ以上の精度が必要な場合は、ドローン測量は適しません。
mm単位精度が必要な用途:
- 建築物の沈下計測(mm単位の動きを監視)
- 精密機械設置の基準点設定
- トンネル切羽の断面計測(施工管理で±1cm精度が必要)
これらは「地上型レーザースキャナ」や「トータルステーション」を使用する有人測量が必須です。
できないこと3:屋内・天井裏・地下の測量
ドローンはGPS信号を必要とするため、屋内では飛行・位置測定ができません。
対応不可の場所:
- 工場内部・倉庫内部
- トンネル内部(地下空間)
- 建物の天井裏・床下
- 強いRF干渉がある環境(大型アンテナの近く等)
屋内測量は「3Dレーザースキャナ」(手持ち型)を使用した別の測量手法が必要です。
できないこと4:植生が密集した地盤の測量
ドローンが得る点群データは「上空から見た情報」です。密集した植生(樹木・草・農作物)がある場合、地盤表面を正確に捉えられません。
向かない用途:
- 山林での土量計算(枝葉の影響で地盤が見えない)
- 水田・稲作エリア(作物が混在)
- 密生した竹林
これらの場合は、「地上型レーザースキャナ + ドローン」の併用や、別の手法を検討します。
できないこと5:隣地プライバシー侵害のリスクがある場所
ドローンは上空から広範囲を撮影するため、隣地の建物・施設・人物が映り込むリスクがあります。
避けるべき状況:
- 住宅密集地での撮影(隣家のプライバシー侵害リスク)
- 工場内部の機密施設が見える可能性がある飛行
これらの場所では事前に隣地所有者の承諾が必須です。
できるが、価格が割高になる場合
ドローン測量は「できるけど、特殊な準備が必要」な案件もあります:
- 夜間飛行:日中の飛行ができない工業地帯など → 追加費用・事前許可が必要
- 強風環境:海岸線・高所 → 撮影品質が低下、再撮影のリスク
- 小規模エリア:数十m×数十m程度 → 測量費に対して効率性が低い
これらは相談時にお伝えします。
我々の判断基準
当社は「売上最優先」ではなく「プロジェクト成功」を優先します。見積もり段階で「ドローン測量には向かない」と判断した場合は、正直にお伝えし、代替案を提案します。
その結果、お客様から「他社は『できます』と言ったけど、東海エアサービスだけ正直だった」と評価いただくことが多いです。
まとめ:正しい判断で失敗を防ぐ
ドローン測量は土量計算・施工管理・進捗確認で力を発揮します。しかし、すべての測量に対応できるわけではありません。
「うちのプロジェクトに向いているのか」を正直に判断してほしい場合は、当社にご相談ください。測量業登録を持つプロフェッショナルが、あなたのプロジェクトに最適な手法を提案します。