ドローン測量ができない天候・風速条件|雨・風・霧への対応方法

ドローン測量は晴天でも風が強ければ飛行を中止することがあり、現場の状況次第でスケジュールが変わります。発注側が「なぜ飛べないのか」「どんな条件が問題になるのか」を事前に把握しておくと、工程調整や予備日の確保がスムーズになります。

飛行できない・難しい気象条件

以下は現場でよく判断基準になる気象・環境条件です。風速や気温の具体的なしきい値は機体の仕様・飛行高度・現場地形によって異なるため、断定的な数値は示さず、個別に判断しています。

条件主な理由
降雨・降雪機体への浸水リスク。水滴がレンズに付着し写真品質が低下。電装系の故障原因になる
強風機体の安定飛行が困難になり、重複率・撮影間隔が乱れてデータ品質に直結する。地上は穏やかでも上空で強い場合があり、ホバリング中の位置保持が崩れる
霧・視程不良目視外・目視内を問わず安全確認が難しくなる。航空法の飛行要件(常時監視)を満たせない場面が生じる
雷雨・積乱雲接近機体への落雷リスクに加え、急変する気流で制御不能になる危険がある。予兆段階で飛行を取りやめる
低温バッテリー性能が低下し、飛行時間の短縮・予期しない電源断が起きやすい。条件次第では地上でのバッテリー暖機が必要
日照不足・日暮れ間近写真測量では十分な照度が必要。薄暗い条件ではシャッタースピードを落とさざるを得ず、ブレによる精度低下が起きる

飛行はできても計測品質に影響する条件

「飛べる」と「高精度なデータが取れる」は別の話です。以下の条件では安全に飛行できても、成果物の精度に影響が出るため、飛行判断とは別に計測の可否を検討します。

  • 影・部分的な日陰:写真測量(フォトグラメトリ)は画像のテクスチャをもとに3次元データを生成します。木陰や構造物の影が写真をまたいで映り込むと、マッチング処理が乱れて点群の欠落や歪みが生じます。
  • 曇天と晴天の混在:飛行中に急に光量が変わると、同一フライトでも写真ごとに露出がばらつきます。均一な曇天は影が出にくくむしろ安定することもありますが、雲が動き続ける状況では注意が必要です。
  • 逆光・低仰角の太陽:早朝・夕方は太陽高度が低く、カメラに直射光が入りやすくなります。フレア・白飛びが起きると地物の認識精度が落ちます。
  • 上空と地上の風速差:地上では穏やかに見えても、高度を上げると急に強風に当たるケースがあります。特に周囲を建物や山に囲まれた現場では乱流が発生しやすく、姿勢制御に負荷がかかります。現場到着後に上空の状態を確認してから離陸の可否を判断します。

発注側が知っておくべき段取り

天候リスクを織り込んだスケジュール設計が、工期遅延を防ぐ最大の対策です。

  • 予備日を計画段階から確保する:計測日の翌日または翌々日に予備日を組み込んでおくのが基本です。工期が決まっている場合は、逆算して予備日を確保できる日程で発注することをお勧めします。
  • 余裕あるスケジュールで依頼する:「成果物の提出期限に対して計測日が直前」という設計は、悪天候が続いた場合に対応が困難になります。標準納期は現地計測後5営業日(急ぎ対応の場合は3営業日)ですが、前提は計測が完了した日からのカウントです。計測自体が延期になると納期全体が後ろ倒しになります。
  • 天候中止の連絡フローを事前に確認する:中止・延期の判断は現場責任者が当日朝の気象状況・現地確認を経て行います。その連絡が誰から誰に、何時までに届くのかを発注時点で合意しておくと混乱が少なくなります。工事監理者・現場代理人・発注担当者のどこに連絡を入れるべきかも事前に整理してください。

よくあるご質問

Q. 当日の天気予報が「晴れ時々曇り」なら飛行できますか?
A. 予報だけでは判断できません。当日の現地状況(上空の風・雲の動き・視程)を確認した上で最終判断します。飛行できる場合でも、計測品質に影響が出るようであれば延期を選択することがあります。
Q. 雨が上がれば当日中に再計測できますか?
A. 雨後は地面に水たまりが残り、点群の欠落や反射ノイズが増えることがあります。また機体のアーム・プロペラの乾燥確認も必要です。状況次第で当日対応が可能な場合もありますが、翌日以降に改めて設定し直すケースが多くあります。

東海エアサービスの実務での進め方

東海エアサービスでは、計測前日から気象情報(地上・上空)を確認し、当日朝の現地状況を踏まえて飛行の可否を判断しています。使用機体はDJI系のRTK・PPK対応機で、GNSS測位の安定性を重視した運用を行っています。

天候による中止・延期の判断基準は「安全に飛行できるかどうか」と「規定の精度でデータが取れるかどうか」の両軸で考えます。どちらか一方でも問題があると判断した場合は飛行を延期します。お客様の工程を止めたくない気持ちは十分に理解しますが、精度不足のデータを納品することは最終的に工期・コストを増やすリスクになると考えています。

現場は全国対応(測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格)で、エリアごとの気候特性や季節的な風向きの傾向も踏まえた日程提案が可能です。打ち合わせの段階で計測適期・リスクの高い時期についても情報を共有しますので、計画の初期段階からご相談ください。

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