ドローン測量 vs 衛星画像の違い|精度・費用・用途の比較

上空から地表を捉えるという点では共通していても、ドローン測量(UAV写真測量)と衛星画像とでは、取得できるデータの性質も、適した現場の条件も全く異なります。「どちらを使えばいいか」という相談は現場でも多く、本稿では両者の仕組みと特性を整理し、用途ごとの使い分けを解説します。

仕組みの違い

衛星画像は、地球を周回する衛星が上空から広大なエリアを一括して撮像したものです。撮像範囲が広く、定期的なアーカイブデータから過去の状態を参照できるメリットがある一方、地表と撮像体の距離が非常に大きいため、解像度には物理的な上限があります。また、撮像タイミングは衛星の軌道に依存するため、任意の日時に取得することはできません。雲や気象条件によっては地表が映らないケースもあります。

一方、ドローン測量は低空から連続撮影を行い、写真測量(フォトグラメトリ)の手法でオルソ画像や3次元点群を生成します。撮像高度が低いぶん、地上解像度は衛星画像と比較にならないほど細かく、現場レベルの微細な形状変化や構造物の寸法も計測対象になります。さらにRTK/PPKドローンと地上基準点を組み合わせることで、測量精度を確保した成果物を出力できます。

主要項目の比較

比較項目衛星画像ドローン測量(UAV)
地上解像度粗い(広域撮像のため物理的限界がある)細かい(低空・高解像度で現場の微細形状を捉えられる)
3D点群の取得原則不可(DSM生成は可能だが精度・密度に限界)可(高密度点群LAS/LAZ形式で出力)
即時性・機動性低い(衛星パスに依存、計画〜取得まで日数を要する)高い(現場移動後、当日〜翌日に撮影可能)
対象範囲広域に強い現場規模〜中規模が実用的
天候・雲の影響大きい(雲があると撮像不可)あり(強風・降雨は飛行不可。低雲でも飛行できる場合がある)
測量精度の担保困難(精度等級での成果提出には向かない)可(RTK/PPK+地上基準点で測量成果の要件を満たした出力が可能)
主な適用場面広域の現況把握・植生変化・災害発生直後の状況確認など土量計算・出来形計測・3Dモデル生成・インフラ点検など

使い分けの考え方

衛星画像が向いているケースは、広域にわたる土地利用変化の把握や、過去の時系列変化の比較、大規模な森林・農地・沿岸の状況確認など、「広く・薄く」情報を得たい場面です。アーカイブデータを活用できるため、特定の日時の状況をさかのぼって確認したい用途にも対応しやすいです。

ドローン測量が向いているケースは、土工事の土量計算、施工出来形の確認、橋梁・法面・ダムなどの構造物点検、建設現場の進捗記録など、「狭く・精密に」計測が必要な場面です。成果物としてLAS/LAZ点群やDWG/DXF形式の図面、PDFレポートを必要とする場合、また測量業登録に基づく精度の担保が求められる公共工事関連業務では、ドローン測量が適しています。

「衛星で広域の変化をスクリーニングし、気になる箇所をドローンで精密計測する」という組み合わせを検討するケースもありますが、コストと納期の観点から、最初から目的を絞った手法選定が実務では効率的です。

よくあるご質問

Q. 衛星データで土量計算はできますか?
A. 衛星データからDSM(数値表面モデル)を生成して大まかな体積を推計する事例はありますが、建設工事の出来形確認や公共測量の成果として利用できるような精度・密度の3Dデータを衛星単独で取得することは、現状では実用的ではありません。土量計算には地上解像度の細かいドローン測量が適しています。

Q. ドローンが飛べないほど広い範囲を計測したい場合はどうすればいいですか?
A. 非常に広域なエリアでは、固定翼型の産業用UAVや有人機による写真測量との組み合わせ、またはLiDAR航空測量が検討対象になります。現場の広さ・精度要件・予算を整理したうえで、最適な手法を提案できますので、まずは計測範囲と目的をご相談ください。

東海エアサービスの実務での進め方

当社では、DJI系RTK/PPKドローンを使用し、写真測量処理にはMetashapeおよびPix4Dmapperを使い分けています。点群データの処理・図化にはTREND-POINTとTREND-ONEを使用しており、成果物はLAS・LAZ(点群)、DWG・DXF(図面)、GeoTIFF(オルソ)、PDF(報告書)に対応しています。

受注から現地計測後5営業日(急ぎの場合は3営業日)を標準納期としており、計測範囲・精度要件・必要成果物の形式に応じて飛行計画を立案してから現地作業に入ります。「衛星データを持っているが、精密な計測が必要な箇所だけドローンで補いたい」といった複合的なご相談にも対応しています。

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