これまで社内測量士が対応してきた現場でも、ICT施工要件の拡大や人手不足を背景にUAV測量の外注を検討するケースが増えています。しかし「どんな情報を準備すればいいか」「どこまで任せられるか」「成果物の形式は何が必要か」といった点が分からず、最初の一歩を踏み出せない担当者は少なくありません。このページでは、問い合わせから納品までの流れと、初回外注でつまずきやすいポイントを整理します。
問い合わせから納品までの流れ
初めてUAV測量を外注する場合、おおむね以下の順で進みます。現場状況や成果物の要件によって前後することがありますが、全体像を把握しておくと打ち合わせがスムーズになります。
| ステップ | 主な内容 | 担当 |
|---|---|---|
| ①相談・ヒアリング | 対象エリア・目的・希望成果物・納期の確認 | 発注者・業者 |
| ②現地確認・ロケハン | 飛行可否・障害物・電波環境・基準点位置の確認 | 業者 |
| ③見積提出 | 計測範囲・成果物・特殊条件を反映した金額を提示 | 業者 |
| ④計測実施 | GCP設置・飛行・写真・点群データの取得 | 業者 |
| ⑤データ処理 | 点群生成・オルソ・DSM作成・品質確認 | 業者 |
| ⑥成果物納品 | LAS/LAZ・DWG/DXF・PDF等で納品・内容確認 | 業者→発注者 |
事前に準備しておくこと
問い合わせ前に以下を整理しておくと、ヒアリングが一回で完結し、見積の精度が上がります。
- 対象範囲と目的:計測したいエリアの面積・形状(CADデータ・航空写真・地番図いずれか)と、何のための測量か(土量計算・進捗確認・ICT施工・竣工測量など)
- 既存の基準点情報:近隣に公共基準点・工事基準点があるか。既設杭の成果簿が手元にあれば共有できると精度管理がしやすい
- 成果物の用途と形式:監督員に提出するのか、自社で土量計算に使うのか。提出先が求めるファイル形式(DWG・DXF・LAS・PDF等)を事前に確認しておく
- 希望納期と現場の使用スケジュール:搬入・施工再開の日程が決まっている場合は必ず伝える
初めてでつまずきやすい点
仕様の伝え方
「なんとなく現場全体を測ってほしい」という依頼では、必要な精度や成果物の種類が特定できず、見積が確定しません。「何に使うか」「監督員への提出が必要か」「図面と重ね合わせるか」を明確にしておくと、業者側が適切な手法と精度を提案できます。
成果物の形式と座標系
LASとDWGを混同したり、平面直角座標系の系番号を指定し忘れたりするケースがあります。成果物を使う下流ソフト(CAD・施工管理システム等)の対応形式を確認してから発注するのが確実です。座標系は発注者側で指定してください。未指定の場合は業者が現場に合わせて設定しますが、後からの変換対応が発生することがあります。
スケジュールの余裕
「明日計測できるか」という依頼は、飛行許可申請・ロケハン・機材準備の都合上、対応できないことがほとんどです。計測実施の1〜2週間前には相談に入るのが目安です。計測後の納品は通常5営業日、急ぎの場合は3営業日(追加対応)が目安です。
外注で得られること
自社でUAVや処理ソフトを導入しなくても、必要なタイミングで高精度なデータを取得できるのが外注のメリットです。RTK/PPK対応機材・測量業登録・全省庁統一資格を持つ業者に依頼すれば、公共工事の書類要件を満たした成果物を受け取れます。
また「計測は自社で実施したが、点群処理だけ外注したい」「既存の生データを渡して土量計算のみ依頼したい」といった部分委託も可能です。設備投資なしにICT対応できる点は、工事受注の幅を広げる実務的な選択肢になります。
現場でよくある相談
- 「現場が山間部で電波が届かない。RTKは使えるか」――GNSS受信環境によってはPPK(後処理キネマティック)で対応できます。事前のロケハン確認が前提です。
- 「監督員から座標系と精度の証明を求められた。書類は出るか」――計測報告書・精度確認表・基準点成果を含む書類セットで対応しています。公共工事の要件を確認した上で準備します。
- 「生データ(写真と飛行ログ)だけ持っているが、点群と土量計算だけ頼めるか」――持ち込みデータによる処理のみの委託も承ります。データ品質の確認は受け取り後に行います。
東海エアサービスの実務での進め方
東海エアサービスでは初回の問い合わせ時に以下の項目を確認し、ヒアリング1回で見積に必要な情報をそろえるように進めています。
- 計測対象の面積・地形の概要(傾斜・樹木・構造物の有無)
- 成果物の使用目的と提出先(監督員・社内・設計事務所等)
- 必要な成果物の形式と座標系(未定の場合は相談)
- 現場搬入・施工再開の日程(納期の逆算)
- 既存の基準点成果の有無
- 部分委託の範囲(計測のみ・処理のみ・一括いずれか)
使用機材はDJI系RTK/PPK対応ドローン、点群処理はTREND-POINTおよびTREND-ONEを使用します。成果物はLAS・LAZ・DWG・DXF・PDFに対応しています。測量業登録(第(1)-37730号)および全省庁統一資格を保有しており、公共工事の要件を満たした書類・成果物の納品が可能です。全国対応しています。
計測・点検のご相談はお気軽に。関連記事はドローン測量の記事一覧に。
ドローン測量・計測のご相談
- ドローン測量・3D計測・点群処理を一貫対応(測量業登録 第(1)-37730号・全国対応)
- お問い合わせ / TEL: 050-7117-7141(平日9:00–18:00)