「今日測量して、今日中に土量計算書が欲しい」は可能か
工事現場やインフラ点検の担当者から「測量が終わったら、できるだけ早く結果が欲しい」というご要望をよく受けます。気持ちはよくわかります。
しかし、ドローン測量の結果(土量計算書・点群データ)を当日に納品することは、実はほぼ不可能です。なぜなのか、データ処理の現実をご説明します。
ドローン測量の流れと所要時間
撮影フェーズ(現地で1〜3時間)
- ドローン飛行:30分〜2時間(撮影面積・気象条件による)
- 地上基準点(GCP)設置・測定:1〜2時間
データ処理フェーズ(事務所で2〜5日)← ここがポイント
- 画像の初期処理:1〜2時間(5,000〜10,000枚の整理)
- 点群生成(Metashape処理):8〜12時間(連続処理)
- 精度検証・補正:4〜8時間
- 土量計算・レポート作成:4〜8時間
- 品質チェック・修正:2〜4時間
トータルで、最短でも翌日〜1日半です。通常は3〜5営業日で納品します。
なぜ「当日納品」が難しいのか
理由1:画像処理に莫大な計算時間がかかる
ドローンで撮影した5,000〜10,000枚の画像を、Metashapeなどの処理ソフトで点群に変換する工程があります。このプロセスにパソコンが「8時間連続処理」を必要とします。
当日16時に飛行が完了した場合、その時点で処理を開始しても完了は深夜0時です。その後の精度検証・計算を考えると、翌日の午前中納品が現実的です。
理由2:精度検証が絶対に必要
点群が生成されても、精度が標準値(±3cm)を達成しているか検証が必須です。
- 地上基準点との照合:1〜2時間
- 異常値の検出と補正:2〜4時間
これをスキップすると、不正確な成果物を納品することになり、後で大問題になります。
理由3:複数案件が並行処理されている
当社は218件以上の実績があり、複数の撮影・処理が並行で進行しています。新しい案件の処理待ちキューが常に存在するため、「今日やった分を今日処理」は計画的に進めることが難しいです。
「当日納品」が可能な場合
ただし、以下の特殊な条件では、短縮できます:
- 超小規模エリア:100m×100m程度で、数百枚の画像処理のみ → 4〜6時間で可能
- 簡易版データ:「正確な点群」ではなく「簡易的な起伏図」であればOK → 2〜3時間で可能
- 事前の優先予約:「明日午前の処理を今日やっておいて」という特別対応 → 追加費用・日程確認が必要
ただし、これらは「精度を落とす」または「特別対応料金」が発生する可能性があります。
「翌営業日納品」を実現する工夫
当社は「できるだけ早く」という要望に応えるため、以下の工夫をしています:
- 撮影当日の夕方から処理開始(翌朝に処理完了)
- 複数パソコンでの並列処理
- 事前に「処理スケジュール」を確保
- 金曜日撮影の場合、月曜日納品を目指す
納期を読むためのポイント
ドローン測量の納期を判断する時は:
- 撮影面積:1ヘクタール以上か未満か
- 精度要求:±3cm標準か、±5cm許容か
- 納品形式:土量計算書だけか、点群も必要か
- 現在の処理キュー:当社の他案件の状況
見積もり時に「納期はいつまで?」と聞いてくれることで、正確な回答ができます。
「急ぎでお願い」の相談について
工事工程の都合で「明日までに結果がほしい」というご要望をいただくことがあります。その場合:
- 撮影面積・精度要求を詳しく聞きます
- 可能な限り対応しますが、精度低下や追加費用の可能性をお伝えします
- 「今日無理なら、いつが現実的か」を一緒に計画します
まとめ:ドローン測量は「翌営業日〜1週間」が標準
ドローン測量の流れと処理時間を理解することで、無理な納期要求を避け、プロジェクトをスムーズに進められます。
「当日結果が必要」な場合も、正直にご相談ください。最善の方法を一緒に探ります。東海エアサービスは、納期・品質・価格の3つのバランスを大事にしています。