中小建設会社が直面するドローン測量の選択肢
従業員50名以下の中小建設会社では、ドローン測量を「自社で内製化するか」「外注するか」の選択が重要なポイントです。本記事では、実際の投資額・人員・案件数から判断する基準をご説明します。
内製化vs外注の意思決定マトリクス
| 判断軸 | 内製化向き | 外注向き |
|---|---|---|
| 年間案件数 | 月2件以上(年24件~) | 月1件以下(年12件以下) |
| 初期投資 | 300~500万円をかけられる | 1案件15~50万円のみ |
| 人員確保 | 操縦士育成・配置可能 | 専任者を配置できない |
| 技術維持 | 常時飛行・スキル維持できる | 年数件では技術が錆びる |
| 顧客対応 | ワンストップ提案できる | 外注先と客先連絡が増える |
内製化の投資額と回収期間
初期投資(一回のみ)
| 項目 | 費用 | 備考 |
|---|---|---|
| ドローン本体(RTK対応) | 120~200万円 | DJI M300 RTK等 |
| RTK基準局・通信機器 | 100~150万円 | バッテリ・キャリバーも含む |
| 処理ソフト(Metashape等) | 年50~100万円 | ライセンス費用(継続課金) |
| 操縦士育成(講習・訓練) | 10~20万円 | 資格取得+現場OJT |
| 初年度合計 | 280~470万円 |
ランニングコスト(毎年)
- ソフトウェアライセンス:50~100万円
- ドローン保険:年10~20万円
- 機器メンテナンス・バッテリ交換:年15~30万円
- 操縦士の研修・スキル維持:年10万円程度
外注の費用モデル
1案件当たりの外注費用
- 小規模案件(~5ha):15~25万円
- 中規模案件(5~20ha):25~40万円
- LiDAR計測:25万円〜
年間の外注コスト(案件数別)
| 年間案件数 | 外注費用(平均) |
|---|---|
| 6件/年(月0.5件) | 150~180万円 |
| 12件/年(月1件) | 300~360万円 |
| 24件/年(月2件) | 600~720万円 |
| 36件/年(月3件) | 900~1,080万円 |
ROI判断:何件以上で内製化が得か
計算例: 初期投資400万円を想定
- 内製化初年度:400万 + 200万(ランニング)= 600万円
- 月2件の外注:24件 × 30万 = 720万円
結論:月2件以上なら、2年目から内製化が経済的に有利。
一方、月1件以下なら、外注を継続して600~400万円の資本投資を避けるほうが財務的に安全です。
内製化のリスク要因
- 人員依存: 操縦士が退職した場合、すぐに代わりが見つからない
- 機器陳腐化: 3~5年で最新型に更新を迫られる
- 法規制変更: ドローン規制強化で飛行許可手続きが増加する可能性
- 利用率低下: 案件が減った場合、投資の回収ができなくなる
判断フローチャート
1. 年間案件数を予測する → 2. 月2件以上が確実か確認 → 3. 初期投資400万円を確保できるか → 4. 専任の操縦士を配置できるか
全てYESなら内製化を検討。1つでもNOなら外注継続を推奨。
FAQ
Q. 今後案件が増える見込みがあれば、今から内製化してもいい?
A. 見込みだけでは判断できません。過去2年の実績で「月2件以上が安定」と判断できてから投資してください。
Q. 操縦士育成にどのくらい期間がかかるか?
A. 資格取得3~4週間 + 現場OJT(安全作業が定着するまで)3~6か月が目安です。
Q. 外注パートナーを複数確保しておくべきか?
A. はい。繁忙期対応や品質競争のため、最低2~3社のパートナーを持つことをお勧めします。
— TAS Technical Writing Team(技術記事監修)