斜面崩壊、河川氾濫、土砂災害――これらのリスクが潜む現場では、「現状の地形がどうなっているか」を正確に把握することが、事前の対策検討や被災後の復旧計画の出発点となります。従来の現地踏査や航空写真では取得しにくかった法面の細かな変状や河川断面の形状を、ドローンや地上型レーザースキャナによる点群計測で記録し、対策工の検討資料や前後比較の基礎データとして活用する現場が増えています。
ドローン・点群計測でできること
UAV写真測量やLiDAR計測によって取得した点群データは、地形の三次元形状を高密度に記録します。防災・減災の文脈では、以下のような用途で活用されています。
| 対象 | 取得できる情報 | 主な活用場面 |
|---|---|---|
| 斜面・法面 | 勾配・形状・亀裂の有無・表面の凹凸 | 対策工の設計基礎資料、変状の記録 |
| 河川・渓流 | 河床断面・堆積土砂の分布・流路形状 | 断面図作成、堆積状況の定期記録 |
| 土砂堆積箇所 | 堆積範囲・体積の概算 | 土砂移動量の把握、排土計画の参考 |
| 被災前後の比較 | 地形の差分・欠損・盛土体積 | 変状量の把握、復旧設計の基礎 |
成果物はLAS・LAZ形式の点群データ、DWG・DXF形式の図面、断面図や平面図を収録したPDFなど、設計・施工・行政報告で使いやすい形式に整えて納品します。
事前対策での活用
災害が起きる前の段階で現況地形を把握しておくことは、対策工を検討する際の基礎資料となります。
危険箇所の現況把握
急傾斜地や渓流沿いの法面は、現地踏査だけでは全体の形状や変状箇所を漏れなく記録しにくいものです。ドローンによる写真測量や地上型レーザースキャナを組み合わせることで、立入が難しい急斜面も含めて高密度な点群データとして記録できます。法面の勾配分布や微細な凹凸を面的に把握する際に活用されています。
対策工の検討材料
取得した点群データから断面図や縦横断図を作成し、設計者や施工者が対策工の規模・配置を検討する際の基礎資料として提供します。当社ではTREND-POINTおよびTREND-ONEを用いて点群処理を行い、DWG・DXF形式での図面化まで対応しています。地形図に基づいた土量計算も対応範囲に含まれます。
定期モニタリング
同一箇所を定期的に計測して点群データを比較することで、法面や斜面の経時変化を定量的に記録できます。「いつ・どこが・どれだけ動いたか」を数値と図面で記録することが、維持管理計画の根拠資料となります。
被災後の活用
立入困難地の現況記録
崩壊直後の斜面や浸水後の河川沿いは、人が立ち入ることが難しい場合が多くあります。ドローンによる空撮と点群化によって、現場に近づかずに被災直後の地形を記録できます。この記録は、その後の復旧作業の計画や行政への報告資料として活用されることがあります。
土砂量の概算と前後比較
被災前の点群データが手元にある場合、被災後の計測データと重ね合わせることで、崩壊土砂の体積や地形の変化量を面的に把握できます。排土計画や仮設工事の規模感を検討する際の参考数値として活用されます。事前に現況を記録しておくことが、被災後の差分の前提となります。
復旧設計の基礎データ
被災後の現況地形を点群データ・断面図・平面図として整理することで、復旧設計を担う土木設計事務所や行政担当者が利用しやすい形に整えて提供します。
位置づけと限界
当社が提供するのは「現況地形の計測データと図面化」であり、斜面の危険度判定・ハザード評価・崩壊リスクの定量評価は当社の業務範囲外となります。これらは行政機関や地質・砂防の専門機関が担う領域であり、取得した点群データや断面図をそれらの機関に提供して、専門的な評価・判定に活用していただく形を想定しています。現況データは手段であり、リスク評価の結論は必ず専門家・専門機関が行う、という整理を現場でも徹底しています。
現場でよくある相談
- 「法面が気になっているが、どこをどう計測すればよいかわからない。まず現状を記録したい」――対象範囲の確認からロケハンを経て計測計画を提案しています。斜面の規模や樹木の密度によって、UAV写真測量か地上型スキャナかを使い分けています。
- 「数年前の図面しかなく、その後の地形変化を把握したい」――過去図面や既存点群データがあれば、今回の計測データと比較して差分図を作成できます。既存データがない場合は現況の基準として今回の計測が起点となります。
- 「被災直後に早急に現況を記録したい。急ぎ対応は可能か」――機材・人員の調整が前提となりますが、急ぎ対応の相談は受け付けています。安全確認が取れた範囲でのフライトが原則となります。
東海エアサービスの実務での進め方
- ロケハン・計測計画の確認:斜面勾配・樹高・作業用地の有無・飛行制限の有無を事前に確認する。急傾斜や樹冠に遮蔽される範囲は地上型レーザースキャナとの組み合わせを検討する。
- 計測実施:DJI系RTK/PPK対応機による写真測量、または地上型レーザースキャナによるLiDAR計測を現地条件に応じて選択・組み合わせる。測量業登録 第(1)-37730号のもと、基準点測量から現況計測まで一体で実施できる。
- 点群処理・図面化:TREND-POINTおよびTREND-ONEを用いて点群フィルタリング・地形モデル生成・断面図作成を行う。成果物はLAS/LAZ(点群)、DWG/DXF(図面)、PDF(報告書用)で納品する。
- 納期の目安:現地計測後5営業日が標準。急ぎの場合は3営業日対応も可(事前確認要)。
- 見積時に確認している項目:対象範囲の面積・延長、斜面の傾斜・植生の有無、既存の基準点・図面の有無、成果物の種類(点群のみ/断面図付き)、立入可否・フライト許可の状況。全省庁統一資格を保有し全国対応。
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ドローン測量・計測のご相談
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