建設資材ヤードの定期在庫計測|骨材・砕石の月次棚卸しをドローンで効率化

骨材ヤードの月次棚卸しは、砂・砂利・砕石・コンクリート骨材といった複数銘柄が隣接して山積みされる現場の特性上、目視・巻尺による計測では誤差が積み重なりやすいものです。山の形状は崩し・補充のたびに変化し、銘柄ごとの境界は明確な仕切りがない場合も多くあります。加えて、含水状態や締まり具合によって同じ体積でも質量が変動するため、受払帳票と実在庫のズレが月を追うごとに拡大するという相談が後を絶ちません。3D計測とドローン測量を組み合わせることで、こうした骨材ヤード特有の課題に正面から対応できます。

3D計測で骨材ヤードの棚卸しができること

ドローンによる空撮写真測量(UAV-SfM)または地上型レーザースキャナによる点群取得を行うと、ヤード全体を三次元座標として記録できます。得られた点群から地形モデル(DSM)を生成し、基準面(ヤード床面)との差分を積算することで各山の体積を算出します。

計測手法主な適用場面成果物
DJI系RTK/PPKドローン(UAV写真測量)広域ヤード・複数山を一括取得したい場合点群(LAS/LAZ)・体積計算表・DXF
地上型レーザースキャナ屋根付き倉庫・飛行制限エリア・遮蔽が多い山点群(LAS/LAZ)・断面図・DWG
両手法の併用ヤード外周はドローン・構内建屋はスキャナで補完統合点群・総体積一覧

複数銘柄の山が混在していても、計測は一回のフライト・スキャンでヤード全体を取得できます。後工程のTREND-POINTでの点群処理時に、銘柄ごとの山を個別に範囲指定して体積を抽出するため、現場での材料ごとの切り分け作業は不要です。成果物はLAS・LAZ形式の点群データに加え、体積計算表(PDF)とDWG/DXFの断面図を標準納品しています。

骨材固有の留意点

粒度ごとの安息角の違い

砂・砂利・砕石は粒度と形状が異なるため、山が自然に積み上がるときの傾斜角(安息角)が材料ごとに変わります。丸みのある河川砂利は安息角が比較的緩やかで山全体が扁平になりやすく、角張った砕石は安息角が急で同じ底面積でも山が高くなる傾向があります。3D計測は実際の山の形状をそのまま測るため、安息角を仮定した簡略計算式より実態に近い体積が得られます。

締まり・含水状態による嵩比重の変動

計測で得られるのはあくまで体積(m³)であり、質量(t)への換算には嵩比重が必要になります。骨材の嵩比重は、乾燥締め固め状態と雨後の含水状態では値が異なります。このため、計測日の状態を記録し、在庫管理帳票上で嵩比重をどの値に設定するかをあらかじめ管理部門と合意しておくことが重要です。架空の数値を当てはめず、材料仕様書や実測値に基づく換算係数を使用する運用を推奨しています。

隣接する銘柄の境界切り分け

仕切り板や壁がなく、砕石と砂利が接している場合、点群上の境界は視覚的な色差や稜線の変化点から推定することになります。計測前に現場担当者と境界位置を確認・マーキングしておくと、後処理での切り分け精度が上がります。境界が曖昧なまま複数山を接触させて積んでいるケースでは、事前の現場確認が計測精度を左右する大きな要素になります。

月次差分での在庫管理

毎月同一条件で計測することで、前月点群と今月点群を重ね合わせた差分が出せます。体積の増減が空間的に色分けされた差分マップとして出力されるため、どの山のどの箇所が減ったかを確認できます。

月次差分の運用フローは以下の順序になります。

  • 計測(ドローン空撮またはスキャン)→ 点群処理(TREND-POINT)→ 銘柄別体積算出
  • 前月データとの差分算出 → 増減体積を受払台帳の数量と突合
  • 差異が目安を超えた銘柄について原因調査(計量誤差・ロス・境界ズレ等)を実施

受払帳票と実計測の差分を月次で追跡することで、累積誤差の早期発見につながります。計測データはLAS/LAZ形式で保管するため、過去の任意の月との比較も後から実施できます。

現場でよくある相談

  • 「砕石と砂利の山が隣接していて、どこで区切って体積を出せばいいかわからない」――計測前の現場打ち合わせで境界位置を写真と座標で記録する手順を案内しています。稜線を起点に点群上でポリゴン切り出しを行うため、仕切りがなくても銘柄別に集計できます。
  • 「雨が多い月は山の形が変わりすぎて、計測タイミングをいつにすればいいかわからない」――月次棚卸しの場合は月末の同一曜日・同一時間帯を固定することを推奨しています。含水状態の記録も計測日ごとに残しておくと換算係数の見直しに使えます。
  • 「屋根付き骨材倉庫でドローンが飛ばせない箇所がある」――地上型レーザースキャナを補完的に使うことで、屋内・飛行制限エリアもカバーできます。ドローンとスキャナの点群は同一座標系に統合して一括処理します。

東海エアサービスの実務での進め方

骨材ヤードの定期在庫計測は、初回と2回目以降で進め方を分けています。

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  • 初回事前確認:ヤードレイアウト図・銘柄配置・仕切り有無・屋根の有無・飛行制限の確認。GNSSが届きにくい屋内エリアの有無によって手法を選定する。
  • 基準面の設定:初回計測でヤード床面の点群を取得し、以降の計測の体積算出基準面として固定する。床面の変動がある場合は定期的な基準面更新を推奨。
  • 点群処理・納品:TREND-POINTで銘柄ごとの体積を算出し、計算表(PDF)・点群(LAS/LAZ)・断面図(DWG/DXF)を納品する。
  • 継続計測:2回目以降は前回点群との差分を標準出力として追加する。受払帳票との突合フォーマットが決まっている場合は、それに合わせた集計表を出力できる。
  • 見積時に確認している主な項目:ヤードの面積・山の高さの目安/銘柄数と各山の配置(平面図があれば共有)/屋根・壁・飛行禁止エリアの有無/計測頻度(月次・隔月・単発)と初回希望時期/受払台帳との突合フォーマットの有無。測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格を取得しており、全国対応。

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