「実は3社から取ってました」
大型プロジェクトの受注が決まった直後、顧客から意外な告白をされました。
「実は、あなたたちの他に2社から見積もりを取ってたんです。その中で、あなたたちを選びました」
ドローン測量市場では、競合業者がたくさんいます。その中で「なぜ選ばれたのか」を、率直に聞く機会は少ない。
「差し支えなければ、どうしてウチを選んでくれたんですか?」と聞いたら、返ってきた答えが印象的でした。
「費用が安い業者もいたんですけど…」
顧客の担当者は、こう話してくれました。
「A社からは見積もりで13万円、B社は17万円でした。あなたたちは15万円。正直に言うと、A社の方が安い」
「でも、選ばなかった理由が3つあります」
理由1:「対応が違った」
「A社は見積もりだけ。『この価格で大丈夫です』と言われて、終わり。こっちの質問に答える感じじゃなかった」
「あなたたちは『このプロジェクトの場合、GCP設置が必要かどうか一緒に判断しましょう』『データの納品形式はどうします?』って、何度も打ち合わせしてくれた」
つまり、見積もり金額ではなく、「顧客の要望をヒアリングして、最適な提案をする姿勢」が評価されたのです。
理由2:「測量業登録がある」
「B社も良い業者だと思ったけど、測量業登録がないと知って、やめました」
「公共工事に報告する成果なので、『公式な測量会社』による計測が必須なんです」
当社が測量業登録第(1)-37730号を持っていることが、決定的な信頼につながったのです。
この一点で、「安いけど信頼できない」業者から「少し高いけど信頼できる」業者へ、評価が逆転しました。
理由3:「実績が目に見えた」
「あなたたちのウェブサイトには、実務的な記事が いっぱい書いてある」
「『GCPって何か』『ドローン測量に向いている現場・向かない現場』『精度について』…こういう情報が『自分たちはこういう理解で測量している』と伝わってくる」
「他社は『高精度です、実績多数です』とだけ。具体的な知識や考え方が見えない」
つまり、見積もり書以前に「この会社の考え方・経験」が顧客に伝わっていたのです。
「安さ」では競争できない
ドローン測量市場では「価格競争」が起きています。
「ドローンの操縦資格を取ってから1年」という若い事業者も参入し、「うちは10万円で対応します」という安値提案が増えています。
当社が「15万円」という価格に設定している理由は、決して「ふっかけ」ではなく「測量の信頼性に見合った対価」だと考えるから。
その点を、実績と説明責任で伝え続けることしかできません。
「見積もり」 ではなく「提案」を出す
その後、当社の営業アプローチが少し変わりました。
「見積もり」だけではなく「提案資料」を作成するようになりました。
- このプロジェクトの場合、どのような測量手法を取るのか
- なぜその手法を選ぶのか
- データはどの形式で納品するのか
- 精度はどう保証されるのか
つまり、顧客の「判断材料」を提供する意識です。
「安さ」は、すぐに追い越される
業界内で「ドローン測量10万円 / 今なら無料相談」という業者が増えた時、当社の15万円は「高い」に見えるかもしれません。
ですが、その後「精度がイマイチだった」「データが使えなかった」となった時、安さの「良さ」は消えます。
当社が心がけているのは「初めは少し高いかもしれない。でも、1回目の成功で顧客は気づく。『あ、この会社、本当に信頼できるんだ』と」
「3社から取った」という話が教えてくれたこと
顧客が複数社から見積もりを取るのは、当然です。
その中で「安さ」だけでなく「信頼」「実績」「説明責任」が評価されるようになったのは、ドローン測量市場が成熟してきた証だと感じます。
単なる「ドローン操縦業者」ではなく「測量会社」として認識されるようになった、ということです。
その位置を守り、さらに深めていく。それが、当社の これからの課題です。