愛知県の公共工事・発注機関別ドローン測量活用ガイド【2025年版】

公共工事のドローン測量では、発注機関によって準拠する要領・成果物の種類・電子納品の様式が異なります。受注側が「ドローン測量はどこも同じ」と思い込んで進めると、仕様書との齟齬や成果物の差し戻しにつながることがあります。国土交通省・農林水産省・都道府県・市町村・公社等、発注主体ごとの傾向を整理しておくことが、受注後のトラブル防止と提案精度の向上に直結します。

発注機関別の傾向

発注機関ごとに、ドローン測量に求める準拠要領・成果物・運用の成熟度が異なります。以下の表は各機関の一般的な傾向をまとめたものです。詳細条件は案件ごとに仕様書・特記仕様書を必ず確認してください。

発注機関傾向・特徴受注側の留意点
国土交通省(直轄工事・地整局)UAV写真測量・UAV搭載型LiDARに関する要領整備が比較的早い。ICT活用工事の加点評価制度と連動するケースがあり、3次元データの活用まで求められることがある。電子納品要領や座標系の指定が詳細に記載される傾向。最新の要領改定への追従が必須。成果物フォーマット(LAS/LAZ/LandXML/DXF等)の指定バージョンを仕様書で確認する。ICT施工との連携が求められる場合は点群品質基準も厳格になることがある。
農林水産省(農政局・農村振興局)農業農村整備事業に関する独自の技術基準・設計要領が存在する。圃場整備・農業用水路・ため池等、測量対象が国交省の河川・道路とは異なる。UAV測量の適用も事業区分ごとに条件が変わることがある。農業農村整備に係る設計基準・測量要領を別途確認する。国交省準拠の成果物フォーマットがそのまま適用されない場合があるため、発注機関への事前確認を推奨。
都道府県(県土整備・農林等部局)国交省や農水省の要領を準用しつつ、県独自の電子納品要領・測量作業規程を定めているケースがある。部局(土木・農林・砂防等)によって準拠要領が異なることも多い。県独自の要領・規程の有無を事前確認する。同じ都道府県でも発注部局が違えば要件が変わる場合がある。
市町村(市区町村の建設・農林部局)発注規模が比較的小さい案件が多く、UAV測量の経験・知識の蓄積が発注担当者によって差がある。準拠要領を国交省準用とする場合や、特定の要領を指定しない場合も存在する。仕様書の記載が簡素な場合でも、公共測量の基本要件(公共測量準拠・座標系・成果品目)は満たす必要がある。発注担当者との事前調整が特に重要になる。
公社・公団・独立行政法人・高速道路会社等機関ごとに独自の技術基準を持つケースがある。準拠要領が一般公開されていない場合もあり、問い合わせや入札説明会での確認が必要になる。入札段階から要領・基準を入手し、成果物要件を早期に確認する。公的要領とは異なる独自フォーマットが求められることがある。

発注機関を問わず確認すること

機関ごとの違いはありますが、公共測量全般に共通して確認すべき事項があります。

  • 準拠要領の特定:仕様書・特記仕様書に記載された準拠要領(または準用要領)を必ず確認する。記載がない場合は発注者に確認を求める。
  • 公共測量準拠の有無:測量法に基づく公共測量として実施するか否かで、作業規程の準則の適用範囲が変わる。測量計画機関への届出・成果の提出義務も確認する。
  • 座標系・標高系の指定:平面直角座標系の系番号・標高(東京湾平均海面基準)・ジオイドモデルのバージョン指定がある場合は厳守する。
  • 電子納品要領の版:電子納品の対象フォルダ構成・ファイル形式・命名規則は要領の版によって異なる。古い版を前提にしていると差し戻しになることがある。
  • 成果品目の確認:LAS/LAZ・LandXML・DXF・DWG・GeoTIFF・PDF等、どのフォーマットを何部(電子・紙)納品するかを受注前に確定させる。

受注側の備え

公共工事のドローン測量案件を安定して受注・遂行するために、受注側が整えておくべき体制があります。

測量業登録の有無:測量法上の「測量業者」として登録していることが入札参加の条件になる案件があります。登録の有無と登録番号は入札書類に記載が求められる場合があるため、事前に確認が必要です。

全省庁統一資格:国交省・農水省等の省庁発注案件に入札参加するためには、全省庁統一資格(役務区分)の取得が求められることがあります。資格の等級区分・有効期間も管理しておく必要があります。

要領改定の追従:UAV測量に関する要領・基準は改定されることがあります。案件ごとに「仕様書記載の要領の版が最新かどうか」を確認し、改定版が存在する場合は発注者に適用版を確認するプロセスを持つことが重要です。

機材・ソフトウェアの対応:RTK/PPK対応機材・点群処理ソフトの出力フォーマットが、発注機関の求める仕様に対応しているかを受注前に確認します。処理ソフトによって出力できるフォーマット・座標系変換の対応範囲が異なります。

よくあるご質問

Q. 国交省案件と市町村案件では、成果物の要件がどのくらい違いますか?
A. 準拠要領の整備状況・成果品目の詳細度・電子納品の指定様式が異なることがあります。国交省直轄案件では仕様書への記載が詳細なことが多い一方、市町村発注では準拠要領の指定が簡素な場合や、成果品目を個別協議で決める場合もあります。仕様書の記載量が少ない案件ほど、事前の発注者確認が重要です。
Q. 同じ都道府県でも部局によって要件が変わることはありますか?
A. あります。たとえば同じ県でも、県土整備部局と農林部局では準拠する要領・設計基準が異なることがあります。案件ごとに発注部局を確認し、その部局が定める要領・規程を仕様書と合わせて確認するのが基本的な進め方です。

東海エアサービスの実務での進め方

東海エアサービスでは、測量業 登録第(1)-37730号・全省庁統一資格(役務・全国)を取得しており、国交省・農水省・都道府県・市町村・公社等の多様な発注機関に対応しています。

案件受注時には、仕様書・特記仕様書に記載された準拠要領と成果品目を受注担当者が確認し、要領の版・座標系指定・電子納品フォーマットを整理した上で現地計測の計画を立てます。使用機材はDJI系RTK/PPK対応ドローン、点群処理はTREND-POINT・TREND-ONEで行い、LAS・LAZ・LandXML・DWG・DXF・PDF等の形式で納品します。

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発注機関ごとに要件が異なるという相談は実務上よく受けます。「仕様書の要領番号が古い版を指しているが、どちらに従えばよいか」「農水省案件だが国交省準拠の成果物フォーマットで問題ないか」といったケースでは、受注前の段階から発注者への確認を行い、成果物の仕様を確定させてから測量計画を進めます。全国対応していることで、各地の発注機関ごとの慣行の違いを蓄積しながら対応しています。

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