プラント・工場の倉庫やヤードでは、スペアパーツや資材が長年かけて積み重なり、「どこに何が保管されているか」「実際にどれだけの空きスペースがあるか」の正確な把握が難しくなるケースが多くあります。棚卸し作業を人手で行うと時間と工数がかかるうえ、保管状況の「現況図」が残らないため、レイアウト変更や新規設備の搬入検討に活かしにくいという問題があります。地上型レーザースキャナを用いた3D計測は、倉庫・ヤード内の現況を点群データとして記録し、占有スペースの把握やレイアウト最適化の検討材料として活用できる手段として、プラント保全・資材管理の現場で注目されています。
3Dスキャンでできること
地上型レーザースキャナを倉庫・ヤード内に設置し、複数地点から計測することで、棚・ラック・資材・通路・壁面を含む空間全体を三次元点群として記録します。取得した点群データからは次のような情報を読み取れます。
| 取得できる情報 | 活用の例 |
|---|---|
| 棚・ラックの位置と寸法 | 既存図面との差分確認・現況図作成 |
| 資材・パーツの占有体積・積み上げ高さ | 保管量の定量的な把握 |
| 通路幅・有効天井高 | フォークリフト通路の余裕確認 |
| 未使用・デッドスペースの位置 | 追加収納・設備設置の候補エリア特定 |
| 建屋柱・梁・設備との位置関係 | 干渉チェック・搬入ルート確認 |
成果物はLAS・LAZなどの点群フォーマットのほか、DWG・DXFへの変換も可能で、CADやBIMソフトでそのまま活用できます。
スペース最適化への活用
取得した現況点群をもとに、保管レイアウトの見直しや新規設備の導入検討を三次元で進められます。
- 現況レイアウトの整理:点群から抽出した棚・資材の配置を平面図・断面図に落とし込み、現行の保管効率を整理する。図面が更新されていない建屋でも、現時点の「実態」を正確に把握できる。
- 新規設備の搬入可否シミュレーション:導入予定の設備や大型パーツを点群空間上に配置し、既存物との干渉・通路確保・搬入経路の余裕を事前に確認する。現場担当者と画面を共有しながら検討できるため、手戻りを減らしやすい。
- デッドスペースの収納転用:天井付近や建屋隅の未使用空間を点群上で特定し、ラック増設やパーツ移動の計画に活かす。
- 保全・点検記録としての蓄積:定期的に計測することで、保管量の増減や棚配置の変化を時系列で比較管理できる。
計測で気をつける点
屋内環境での地上型レーザースキャンには、屋外とは異なる注意点があります。計画段階から把握しておくことで、スキャンの取り直しや精度不足を防げます。
- GNSS(GPS)は使用不可:屋内ではGNSSが届かないため、ターゲットを用いた位置合わせや、建屋内の既知点を基準とする方法で点群を統合する。
- 棚・設備によるオクルージョン(遮蔽):高密度に保管された棚やパーツの裏側には「スキャン影」が生じる。計測位置を複数設けて死角を補完するスキャン計画が必要になる。
- 稼働中エリアでの安全確保:フォークリフトや作業員が行き交う中での計測は安全上のリスクがある。休憩時間・夜間・メンテナンス停止中など、稼働状況に合わせて計測時間帯を調整する。
- 反射材質の影響:金属面や光沢のある資材は点群のノイズが生じやすい。対象物の材質に応じてスキャナの設定や計測距離を調整する。
現場でよくある相談
- 「倉庫の棚卸しはやっているが、実際にどれだけのスペースが空いているか数字で把握できていない。整理の優先順位を決める材料がほしい」
- 「新しい設備をヤードに搬入したいが、既存の資材・配管との干渉が心配。図面が古くて実態と合っているか確認できない」
- 「保全部品の保管場所が分散していて、どこに何があるかの管理が属人化している。現況を一度まとめて記録したい」
東海エアサービスの実務での進め方
- 事前ヒアリング・現場確認:保管エリアの広さ・天井高・棚の配置状況・稼働スケジュールを事前に確認し、スキャン位置計画と安全手順を立案する。計測前に「何を明らかにしたいか」をすり合わせることで、成果物の使い勝手が変わる。
- 地上型レーザースキャナによる現況計測:屋内計測に対応した地上型レーザースキャナで複数地点からデータを取得。ターゲットを用いて点群を統合し、建屋全体を一つのデータセットとして完成させる。
- 点群処理・成果物作成:TREND-POINTでノイズ除去・統合処理を行い、LAS・LAZの点群データおよびDWG・DXF形式の平面図・断面図を作成。用途に応じてPDF出力にも対応する。
- 見積時に確認している項目:計測エリアの面積と天井高/棚・ラックの段数と密度/稼働中か停止中か(計測可能時間帯)/成果物の活用用途(CAD取込・シミュレーション・記録保管など)/既存図面の有無
- 対応体制:測量業 登録第(1)-37730号・全省庁統一資格取得。全国対応可。
3Dスキャン・点群活用
倉庫・プラント設備の現況を点群で把握
現場の条件に合わせて、計測手法と成果物を設計します。詳しくはご相談ください。関連記事は点群・3D計測の記事一覧にまとめています。
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