製造ラインの複雑な搬送系の課題
製造ラインにはコンベアベルト・搬送装置・配管・電気配線が複雑に絡み合っています。改修や新規設備の追加では、以下の課題が発生しやすいです。
- 図面と現物の寸法が異なっている
- 配管・配線のルートが不明確
- 新設備との干渉を事前に検出できない
- 改修後の動線・搬送効率が不明
- 竣工時の図面(As-Built)が残っていない
これらを一度に解決するのが、地上型LiDAR搬送ラインスキャンです。
3Dスキャンで実現する改修計画の精度化
事前スキャン → 干渉チェック → 改修設計
改修前に現地の3D点群を取得し、CAD上で新設備と既存設備の配置をシミュレーション。衝突・接近による問題を事前に検出します。
| 従来方式(手計測) | 3Dスキャン方式 |
| ①現地で複数人で巻き尺計測 | ①1~2日で全体をスキャン |
| ②図面を手書き・CAD修正 | ②点群をCADに変換・3Dモデル化 |
| ③工事中に寸法誤差が判明 | ③施工前にシミュレーション・修正 |
| ④工期延伸・コスト増 | ④計画通り・無駄削減 |
3Dスキャン対象の配置・ルート全体
以下の搬送系統の全体像を3D化して管理できます。
- コンベアベルト(高さ・幅・長さ・傾斜角度)
- 搬送用パイプフレーム・ラック
- 配管(水・蒸気・圧縮空気・排水)
- 電気配線・制御盤の位置
- 安全柵・照明・緊急停止装置
- 床面・構造梁・支柱との関係
改修案件の実施フロー
ステップ1:事前スキャン
地上型LiDARを複数ポイントで設置し、360度3D点群を取得(所要時間:0.5~1日)。
ステップ2:点群処理・CAD化
点群を統合・クリーニング、実寸値での座標設定を実施。CAD(DWG)平面図・立面図・等角図を自動生成します。
ステップ3:干渉チェック・シミュレーション
新設機械のCADモデルを既存点群に重ねて配置。搬送物の通路・機械の稼働スペースを確認。問題箇所を抽出します。
ステップ4:改修設計・竣工図作成
シミュレーション結果を反映した改修図面を確定。施工後に再スキャンでAs-Built図面を作成・保管します。
活用例:コンベアラインの増速改修
既存のコンベアベルト(時速30m)を時速50mに増速する改修案件。従来手計測では以下の問題が生じました。
- 既存の駆動モータ・プーリの位置が図面と異なっていた
- 新モータの取付スペースが、上方の配管と20cm以下の近接
- 増速に伴う張力増加で、既存フレームが変形の可能性
3Dスキャン導入後:
- 既存配置の3D点群で実位置を確認
- 新モータサイズのCADモデルで干渉シミュレーション
- 配管ルート変更案を事前検討
- フレーム応力解析ソフトで強度確認
- 工期30日短縮・予算オーバーなし
費用と納期
| 対象規模 | スキャン工数 | 納期 | 費用(税別) |
| 小規模ライン(500m未満) | 1日 | 1週間 | 25万円~ |
| 中規模ライン(500~1500m) | 2日 | 10日 | 45万円~ |
| 大規模ライン(1500m以上) | 3日以上 | 要相談 | 要見積り |
よくある質問
Q. 稼働中のラインをスキャンしても大丈夫ですか?
A. 動いている物体は点群に影響を与えます。可能なら稼働停止時のスキャンをお勧めします。どうしても昼間スキャンが必要な場合は、低速稼働・部分停止での実施も相談に応じます。
Q. 納品されたCADデータは、うちの設計チームで改変できますか?
A. はい。DWG形式で納品しますので、AutoCAD・Fusion 360など標準CADで自由に編集できます。点群データ(LAS・XYZ形式)も同時納品すれば、背景として参照可能です。
Q. 複数の製造施設の改修予定があります。一括スキャンは可能ですか?
A. 可能です。複数拠点の計測をまとめていただければ、出張コストを抑えた割引単価でお見積りさせていただきます。