木材チップ体積計測

木材チップは製紙工場やバイオマス発電所で大量に保管される原料・燃料であり、その体積を正確に把握することは在庫コントロールに直結します。しかし木材チップの堆積は不規則な山形をなし、表面はきめが粗く、風や搬出によって形状が刻一刻と変化します。そのため従来のスケールやテープによる実測では誤差が大きく、特に大型ヤードでは実体積との乖離が問題になりやすいものです。3D計測技術はこの課題に対し、堆積形状を面として捉えることで精度の高い体積算出を可能にします。

計測の原理と手順

3D計測で体積を求める基本的な流れは、「点群データの取得 → 点群の前処理・地表分離 → 基準面(地盤面)の設定 → 体積算出」の4段階です。取得手段は設置環境によって使い分けます。

環境主な計測手段特徴
屋外ヤード(開放)UAV写真測量(SfM)/UAV LiDAR広範囲を短時間で面的に取得。GCPまたはRTK/PPKによる位置補正が必要
屋外ヤード(一部屋根あり)UAV+地上型レーザースキャナ併用死角をスキャナで補完。点群をレジストレーションして統合
屋内サイロ・倉庫地上型レーザースキャナGNSS非依存でマルチステーション計測。内壁・天井も取得し空隙を除外

取得した点群はTREND-POINTまたはMetashape・Pix4Dmapperで前処理し、ノイズ除去と点群密度の均質化を行います。次にチップが接地していない「基準面(地盤面)」を設定し、山全体の点群との差分体積を算出します。基準面はチップ搬入前の地盤計測データがあれば最も精度が高く、ない場合は周辺の露出地盤から推定します。成果物はLAS・LAZ形式の点群ファイルのほか、断面図・体積計算書をDWG・DXF・PDF形式で納品します。

誤差に影響する要因

木材チップ体積計測では以下の4点が主な誤差要因です。事前にリスクを把握したうえで計測計画を立てることが重要です。

  • 基準面の不確かさ:チップ搬入前の地盤データがない場合、基準面を推定で設定するため、地盤の凹凸が大きいほど体積誤差が拡大します。可能であれば空荷時に地盤計測を先行しておくことが望ましいです。
  • 安息角と表面の凹凸:チップ山の斜面は安息角に沿った勾配を持ち、UAV写真測量では斜面の陰部の点群密度が下がりやすくなります。飛行経路と撮影角度の設計でカバレッジを確保します。
  • 含水状態とかさ密度の変動:体積計測そのものには影響しませんが、体積から重量・量へ換算する際にかさ密度が変動要素となります。計測日の天候・乾燥状態の記録が換算精度に関わります。
  • 山の境界定義:隣接する別ロットのチップや構造物との境界が曖昧な場合、どこまでを計測対象に含めるか現場で確認が必要です。事前に境界線の取り決めをしておくと手戻りが減ります。

現場でよくある相談

  • 「搬出のたびにチップ山の形が変わるので計測タイミングをどうすればいいか」という相談が多くあります。計測は搬出直後の静定状態で行うのが基本で、搬出途中の山は表面が崩れて誤差の原因になりやすいため、運用サイクルに合わせた計測スケジュールを一緒に検討します。
  • 「屋根付きヤードでGNSSが入らないが体積を出したい」という問い合わせもあります。この場合は地上型レーザースキャナを用いたマルチステーション計測で対応し、ターゲットを基準として複数スキャンを位置合わせします。
  • 「チップの種類(針葉樹・広葉樹・バーク)が混在した山を分けて体積管理したい」というケースもあります。3D計測では境界の物理的な区画が必要になるため、現場でのロープや仮囲いによる区分けを事前に行ってから計測することを提案します。

東海エアサービスの実務での進め方

当社(測量業登録 第(1)-37730号・全省庁統一資格)では、木材チップ体積計測を以下の流れで進めています。

  • 事前ヒアリング:ヤードの規模・屋内外・GNSS受信可否・計測頻度・成果物フォーマットを確認します。屋内か屋外かで機材選定と当日の段取りが大きく変わるため、図面・写真の共有をお願いしています。
  • 現地ロケハン(必要に応じて):初回や環境が特殊な場合は事前ロケハンを行い、飛行許可の要否・障害物・電波環境を確認してから計測計画を確定します。
  • 計測当日:DJI系RTK/PPK対応ドローンまたは地上型レーザースキャナで点群を取得。屋外案件ではGCP設置またはRTK直接測位で位置精度を担保します。
  • 点群処理・体積算出:TREND-POINT・TREND-ONEで点群の前処理・地盤面設定・体積計算を行います。断面確認を経て計算書を作成し、LAS/LAZ・DXF・PDFで納品します。
  • 見積時の確認項目:ヤードの概面積と山の高さの目安/屋内・屋外・一部屋根の区別/GNSS受信可否/必要な成果物フォーマット/計測希望日程と定期計測の有無。全国対応しており、出張計測にも個別に対応します。

3D計測・在庫数量化

FREE TOOL

土量を無料で概算する(計算ツール)

面積と深さを入れるだけで土量・残土量・運搬費の目安がわかります。

無料で計算する →

ヤード・堆積物の体積を点群で正確に把握

3Dスキャンの相談はこちら

現場の条件に合わせて計測手法と成果物を設計します。詳しくはご相談ください。関連記事は土量・コストの記事一覧にまとめています。

在庫・堆積物の3D計測のご相談

  • ドローン・地上型レーザースキャナによる3D計測(測量業登録 第(1)-37730号・全国対応)
  • お問い合わせ / TEL: 050-7117-7141(平日9:00–18:00)
TAS Technical Writing Team(技術記事監修)
よくある質問土量計算ツール残土・土工費用ガイド
📞 電話で無料相談✉ メールで問い合わせ

東海エアサービス株式会社

サービス導入事例FAQ会社情報お問い合わせ

© 2026 東海エアサービス株式会社 | プライバシーポリシー