土砂・骨材・砕石・廃材・木材チップなど、屋外ヤードから工場内倉庫まで、さまざまな「堆積物」の体積を定期的に把握したいというニーズが増えています。在庫管理、土量収支の確認、廃材の処理委託前の計量、保険評価など用途は多岐にわたります。ドローンや地上型レーザースキャナを使った三次元計測はこれらの課題に対応できますが、対象物の種類・現場条件・求める精度水準によって適切な手法が異なります。本記事では、堆積物計測に共通する基本的な流れと、対象や現場条件に応じた手法の選び方を整理します。
ドローン計測の共通フロー
堆積物の体積をドローンで計測する際の基本的な流れは、対象の種類や規模が変わっても概ね共通しています。現地状況の把握から成果物の納品まで、主な工程を以下に示します。
| 工程 | 内容 | 使用技術・ツール |
|---|---|---|
| ① ロケハン・飛行計画 | ヤード形状・障害物・電波環境の確認、飛行ルート設計 | 現地踏査・地形図 |
| ② 地上基準点の設置 | GCP(地上基準点)またはRTK/PPKによる位置補正の準備 | DJI系RTK/PPK対応ドローン |
| ③ 空撮・点群取得 | 重複度を確保した写真測量または直接点群取得 | フォトグラメトリ・LiDAR |
| ④ 点群処理・モデル生成 | ノイズ除去・座標補正 | Metashape・Pix4Dmapper・TREND-POINT |
| ⑤ 基準面の設定 | 地盤面(空荷時・計画高など)をどこに設定するかが体積精度の鍵 | TREND-ONE・DWG/DXF参照 |
| ⑥ 体積算出・成果物作成 | 盛土量・掘削量・差分体積の算出 | LAS/LAZ・DWG・PDF報告書 |
特に「基準面の設定」は計測後に変更が難しく、発注前に「何と比較した体積が必要か」を明確にしておくことが重要です。地盤沈下がある現場、複数回の差分比較が必要な現場では、基準面の取り決めを事前に文書化しておくことを推奨します。
対象別の手法選定観点
ドローン計測が最適なケースもあれば、地上型レーザースキャナとの組み合わせが効果的なケースもあります。主な選定観点を整理します。
屋外・広面積のヤード
採石場・土砂仮置き場・骨材ヤード・廃材置き場など、広い屋外ヤードはDJI系RTK/PPKドローンによるフォトグラメトリが機動性・コスト面で優位に働くことが多くなります。飛行経路を自動化することで短時間に広範囲を取得できます。ただし、強風・雨天・夜間作業の制約を考慮した計測日程の調整が必要になります。
屋内・狭小または入り組んだ形状
工場内のサイロ周辺・倉庫内の木材チップ・タンク近傍の堆積物など、ドローンの飛行が困難な環境では地上型レーザースキャナが選択肢に入ります。スキャナは一か所あたりの範囲が限られるため、複数箇所からスキャンして点群を合成する「レジストレーション」工程が加わりますが、閉塞空間でも精密な形状を取得できる利点があります。
立入制限・安全確保が難しい現場
廃棄物の仮置き堆積・急斜面の土砂堆積など、人員が近づきにくい場所ではドローン計測の安全上のメリットが大きくなります。従来の人力測量と比較して作業員が堆積物に乗り上げる必要がなく、崩落リスクのある現場でも計測が成立しやすくなります。
現場でよくある相談
- 「定期的に計測したいが、毎回同じ条件で比較できるか」――計測ごとにGCPの位置や基準面の定義が変わると差分比較が意味をなさなくなります。初回計測時に基準点の恒久化・基準面の定義書を残しておくことを推奨しています。
- 「堆積物の表面が砂状・粉状で計測精度が落ちないか」――フォトグラメトリは均一な色・質感の表面ではテクスチャが取りにくく、点群品質が下がる場合があります。その際はLiDARや地上型スキャナへの切り替えを検討します。
- 「CADや既存設計図面と突き合わせて差分を出したい」――既存のDWG/DXFデータを持ち込んで基準面として利用できます。設計高と現況の差分体積(超過掘削・未掘削)を整理する用途でも対応しています。
東海エアサービスの実務での進め方
測量業 登録第(1)-37730号・全省庁統一資格を有し、全国対応で堆積物計測に対応しています。機材はDJI系RTK/PPK対応ドローンと地上型レーザースキャナを保有し、現場条件に応じて機材を選定します。点群処理はTREND-POINT・TREND-ONEを使用し、成果物はLAS/LAZ・DWG・DXF・PDFで納品します。写真測量が適切な場面ではMetashape・Pix4Dmapperを使用します。
- ロケハン――初回は可能な限り現地踏査を実施し、障害物・電波環境・ヤードの境界条件を確認します。遠方案件はヒアリングと現地写真で代替する場合もあります。
- 基準面の取り決め――「空荷時の地盤高」「設計図面の計画高」「前回計測の点群」のいずれを基準にするかを発注前に確定します。
- 成果物の形式確認――受け取り側のCAD環境・GIS環境に合わせてDWG・DXF・LAS/LAZの形式と座標系を事前に指定してもらいます。
- 見積時に確認している主な項目――対象面積・堆積物の種類と表面状態・屋内/屋外・既存基準データの有無・計測頻度(一回限り/定期)・成果物の利用用途・納期。
現場の条件に合わせて計測手法と成果物を設計します。詳しくはご相談ください。関連記事は土量・コストの記事一覧にまとめています。
在庫・堆積物の3D計測のご相談
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