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コラム

切盛バランス(土量バランス)

この記事の要点

切盛バランスは、切土で発生する土量と盛土に必要な土量を突き合わせ、過不足を把握することです。余剰が出れば場外搬出、不足すれば購入土や借土が必要になり、運搬費・処分費・材料費に直結します。

この記事に関係するサービスは「ドローン測量(UAV写真測量)」です。料金は、3分で概算を見られます。

切盛バランス(土量バランス)とは、ある工区や路線において切土(掘削)で発生する土量と、盛土(埋め戻し・盛立て)に必要な土量を突き合わせ、過不足を把握することをいいます。バランスが取れれば現場内で土を融通できますが、余剰が生じれば場外搬出、不足が生じれば購入土・借土が必要になります。どちらも運搬費・処分費・材料費に直結するため、積算段階での精度が工事コストを大きく左右します。

切土量と盛土量の関係——余剰土・不足土の考え方

地山を掘削した土は、ほぐれて体積が増えます(ほぐし係数L)。その土を盛土として転圧すると、今度は体積が縮みます(締固め係数C)。このため「地山の切土量」と「盛土に充てられる量」は数値上イコールになりません。切盛バランスを計算する際は、地山土量・ほぐし土量・締固め土量の三状態を区別して換算する必要があります。

状態 基準 主な用途
地山土量 掘削前の自然状態 切土量・購入土量の計上基準
ほぐし土量 地山×L値 運搬(ダンプ台数)の計算基準
締固め土量 地山×C値 盛土完成体積の計上基準

余剰土(切土量>盛土必要量)は場外へ搬出し、不足土(盛土必要量>切土量)は購入土で補います。L値・C値は土質によって異なるため、土質試験結果や設計書記載の換算係数を必ず確認します。

図解土量の根拠になる計算範囲・控除範囲・基準面

土量は、計算範囲・控除範囲・基準面を先に決め、現況の点群と基準面の差から計算します。

現況の点群計測した地表面 基準面計画面など、比べる面 土量計算範囲から控除範囲を除いて集計
計算範囲
土量に入れる範囲です。範囲図で示します。
控除範囲
土量から除く範囲です。ご指定の控除範囲や緑地は区分して計算します。
基準面
舗装の部分は、仕上げ高でなく路床高で基準面をつくります。

計算範囲・控除範囲の指定と基準面の考え方は、お見積もりの段階で伺います。数量は計算書と範囲図でお渡しします。

出典:当社の土量計算の進め方(大型商業施設の新築工事の事例ほか)

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土積図(マスカーブ)で運搬区間と余剰土量を読む

土積図(マスカーブ)は、路線の起点から終点に向かって累積土量を折れ線で表したものです。縦軸が累積土量(±で表現)、横軸が距離となり、グラフの形状から次の情報を読み取れます。

  • 均衡点:グラフが横軸と交わる地点で、その区間内で切盛がちょうど釣り合う位置を示す
  • 平均運搬距離:均衡点間の距離を基準に積算し、運搬単価の区分(近距離・遠距離)に対応させる
  • 余剰土・不足土の絶対量:グラフの最高点・最低点の値が、それぞれ場外搬出量・購入土量の目安になる

マスカーブは設計段階で作成されますが、掘削が進むにつれて実測値と乖離が生じることが多くあります。出来高測量で実際の断面形状を取得し、設計数量と対比して随時修正することが重要になります。

現場でよくある相談

  • 「設計上は切盛バランスが取れているはずなのに、実際には余剰土が大量に出た。場外搬出量を数量で押さえて発注者と協議したい」
  • 「購入土の数量根拠を積算書に明示しなければならないが、L値・C値の換算を踏まえた地山ベースの数量整理ができていない」
  • 「切盛バランス計算に使った現況地盤データが古く、実測値との差異が不明。ドローン測量で現況を取り直して設計数量と比較したい」
掘削する油圧ショベルの真上からの空撮
掘削する油圧ショベルの真上からの空撮(写真はイメージです)

東海エアサービスの実務での進め方

切盛バランスの数量化は、現況地盤の正確な三次元計測が出発点になります。当社では以下の流れで対応しています。

  • 現況計測:ドローン写真測量(Metashape・Pix4Dmapper)またはUAV-LiDARで地盤点群を取得。成果物はLAS・LAZ形式で納品
  • 点群処理・土量計算:TREND-POINTで点群のノイズ除去・地表面抽出を実施し、設計面と現況面の差分(切盛土量)を算出
  • 土積図の作成支援:断面データをDWG・DXF形式で出力し、設計断面と重ねて過不足区間を整理。積算書に添付できるPDF帳票も作成
  • 出来高管理への応用:施工途中の出来高測量にも同じ流れを適用し、設計数量との差異を随時確認できる体制を整える
  • 見積時に確認している項目:計測エリアの面積・起伏の状況(飛行計画・地上解像度の設定に影響)/設計データ(TIN・グリッド・断面データ)の有無と形式/土質区分とL値・C値の設計値(換算計算に使用)/求める成果物の形式(点群・断面図・土量計算書・土積図)と提出期限/現地への立入り条件(工事進捗・安全管理区画の有無)

当社は測量業 登録第(1)-37730号、全省庁統一資格を保有しており、官民を問わず測量成果として提出できる数値を提供しています。現況計測から切盛数量の整理まで一貫して対応するため、設計者・施工者・発注者それぞれの確認作業を圧縮できます。

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図解地山・ほぐし・締固めの土量と変化率

同じ土でも、地山・ほぐした状態・締め固めた状態で体積が違うため、変化率L・Cで換算します。

地山の土量掘る前の体積 ほぐした土量掘った後の体積(運ぶときの状態)
変化率L
ほぐした土量÷地山の土量です。運ぶ土の体積を出すときに使います。
変化率C
締固め後の土量÷地山の土量です。盛土に要る地山の土量を出すときに使います。
L・Cの値
土質ごとに違います。国土交通省の積算基準は、土質ごとの値を表にしています。

出典:国土交通省「施工パッケージ型積算基準」別紙 表2.1 土量の変化率(2016年4月以降の工事に適用した版)

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この記事のよくある質問

切土量と盛土量が、数値上イコールにならないのはなぜですか?
掘削した土はほぐれて体積が増え(L)、転圧すると縮む(C)ためです。地山土量・ほぐし土量・締固め土量の三状態を区別して換算する必要があり、L値・C値は土質で異なるため設計書や土質試験結果で確認します。
土積図(マスカーブ)からは、何が読み取れますか?
均衡点、平均運搬距離、余剰土・不足土の量の目安が読み取れます。縦軸が累積土量、横軸が距離で、グラフの最高点・最低点が場外搬出量・購入土量の目安になります。均衡点間の距離は運搬単価の区分に使います。
設計上は切盛が釣り合うはずなのに、余剰土が出たらどうすればよいですか?
出来高測量で実際の断面形状を取得し、設計数量と対比して数量を押さえます。マスカーブは設計段階で作るため、掘削が進むと実測値と乖離することが多くあります。随時修正して発注者との協議根拠にします。
東海エアサービス株式会社

名古屋市名東区のドローン測量・3次元計測の会社です。土量・出来形・在庫・設備を測り、点群・図面・数量計算書で納品しています。測量業登録 第(1)-37730号。