砂利・砕石ヤードを運営する事業者にとって、ストックパイル(堆積山)の在庫管理は原価計算の根幹を握る工程です。目測や竿での簡易計測に頼っていると、実際の在庫量と帳簿上の数量が乖離し、月次の原価が実態とずれ続けます。「払い出し量の合計と残量が合わない」「棚卸しのたびに差異が出る」という相談は、計測方法の問題から生じることが多くあります。ドローン計測と点群処理を組み合わせることで、こうした誤差の発生源を根本から見直せます。
ドローン・点群によるパイル体積計測の流れ
計測から体積算出までは大きく4工程で完結します。ヤードへの立入りを最小化しながら、広範囲のパイル群を短時間で把握できる点が最大の利点です。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| ① 飛行・データ取得 | DJI系RTK・PPK対応ドローンで上空から連続撮影。GCP(地上基準点)を設置し、絶対精度を確保する |
| ② 点群生成 | MetashapeまたはPix4Dmapperで写真測量処理し、密な3D点群データを生成する |
| ③ 基準面の設定 | ヤードの地盤面・コンクリート床面を基準面として定義する。これが体積算出の「底」になる |
| ④ 体積計算・成果物出力 | TREND-POINT / TREND-ONEで各パイルの体積を算出。LAS・LAZ・DWG・DXF・PDF形式で納品する |
地上型レーザースキャナを併用すると、ドローンが苦手とする急峻な法面や遮蔽部分も補完でき、計測の信頼性をさらに高められます。
誤差を抑えるための要点
パイル体積の計測精度は、技術的な要因だけでなく現場の状況にも依存します。以下の点を把握しておくことが、実用的な精度確保につながります。
基準面の設定
体積算出の起点となる基準面が曖昧だと、同じ点群データを使っても結果が変わります。舗装済みのヤードではコンクリート床面を基準にとりやすいですが、未舗装ヤードでは地盤面の定義が難しくなります。初回計測時に基準面を明文化し、次回以降の計測でも同じ定義を使うことが重要です。
山の境界処理
複数のパイルが隣接している場合、それぞれの裾野の境界をどこで区切るかによって各パイルの体積値が変わります。境界設定のルールを事前に決め、担当者間で統一しておく必要があります。
点密度と計測タイミング
飛行高度や重複率によって点群の密度が変わり、急傾斜面での面再現性に影響します。また、含水状態によって砕石の見かけ密度が変化することがあります。計測日の状況を記録しておくと、重量換算時の確認に役立ちます。
現場でよくある相談
- 「複数のパイルが隣り合っていて、どこからどこまでが一つの山か境界がわからない。分割して計測できるか」
- 「毎月棚卸しをしたいが、現場を止めずに短時間で終わらせたい」
- 「目測の体積と払い出し記録の差異が慢性的にある。点群計測に切り替えることで差異の原因を特定できるか」
東海エアサービスの実務での進め方
- 計測前にヤードの平面図・面積・パイル数・地盤状況(舗装の有無)を確認し、飛行計画と基準面の設定方針を事前に調整する。
- DJI系RTK・PPK対応ドローンを使用し、GCPを適切に配置して位置精度を確保。地上型レーザースキャナが必要か否かも現地状況に応じて判断する。
- 点群処理はTREND-POINT・TREND-ONEで実施。基準面・各パイルの境界定義をドキュメント化し、次回以降の継続計測でも同一条件で比較できるようにする。
- 成果物はLAS・LAZ(点群データ)とDWG・DXF(図面)・PDF(報告書)で納品。在庫管理台帳への転記に使いやすい形式を相談して選べる。
- 測量業 登録第(1)-37730号・全省庁統一資格を保有。全国どのヤードにも対応可能で、継続的な棚卸し計測にも対応している。
- 見積確認の際は「ヤードの面積と形状」「パイルの数と高さの概算」「継続契約か単発か」「成果物の活用方法(在庫管理・重量換算・報告書提出)」を事前に整理しておくとスムーズ。
3D計測・在庫数量化
ヤード・堆積物の在庫体積を点群で正確に把握
在庫・堆積物の体積把握は、計測手法と基準面の設計で精度が決まります。ヤードの数量化はご相談ください。関連記事は土量・コストの記事一覧にまとめています。
在庫・ヤードの3D計測のご相談
採石・骨材・石炭・木質チップ・スクラップなどの在庫棚卸しは、ドローン在庫計測サービス(料金・対応材料・計測の流れ)で対応しています。月次・四半期の定期計測もご相談ください。
